「夜明けのすべて」
映画館で上映前予告で結構見かけてて、そのたびに泣きそうになってたので、ムビチケを購入。
たまたま舞台挨拶中継回にいけそうだったので、キャスト、監督の話を聞いてから映画を鑑賞しました。
個人的に、とてもとても大好きで大切な作品になりました。
自分も映画に出てくる山添くんのようにメンタル不調で仕事を退職してしまった過去があるので、すごく刺さりました。
とにかく映画全体が温かい。
PMSとパニック障害に悩む主人公が出てくるけど、病気の部分にフォーカスをし過ぎていなく、全然説教臭くない。
生きてる人のだいたいは、メンタル不調を抱えていたり、人間関係で苦しんでいたり、過去のトラウマに苦しんでいて、そういう中でも互いに理解しつつ、自分の力で生きていくことの大切さが身に沁みました。
すごいいいなと思ったのが、#MeTooやらLGBTQやらが社会に広まってから、何でもかんでもカミングアウトをしなきゃいけない息苦しさを個人的に感じていたので、「言いたくないことは言わなくてもいいのでは？」「ほんとにそういうことを理解してくれる人にさえ言えればいい」という雰囲気が伝わってくるこの映画に救われた気がしました。
キャストも素晴らしい。主演2人はもちろんのこと、一瞬しか映らない人まで人間らしさが詰まっていて大好きになりました。個人的には、渋川清彦さん演じる山添くんの元上司役の佇まいや台詞にただただ泣けました。
もう2、3回ぐらい観たいです。原作の文庫版も買ったので、読んでからみたり、夜の回を観て外を少し歩きながらいろいろ考えたりしたいなと思える映画でした。文句なしの傑作です。
