よつゆ

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版のよつゆのレビュー・感想・評価

4.6
やはりハーヴェイ・カイテルがカッコよすぎる。

私がどうしても観たくてレンタル落ちを買ってまで観た作品を映画館で観られるとは思っていなかった。
バイト終わり、疲れていながらも終電に近づくまでシネマート新宿で観る映画は最高だ。
それが『バッド・ルーテナント』なんて余計。

ハーヴェイ・カイテル演じるLTは狂ってる。
LTの悪行、威勢は、ただの見掛け倒しに過ぎない。
彼の人生は、もう取り返しのつかないくらい汚れてしまっている。
その悪事が、彼自身の心の弱さから来ていることは、彼自身がよく知っている。
それが、LTの心からの告解、懺悔のシーンですべてが吐露する。
それはまるで嘘を認め泣きながら母親にすべてを話す子どもの様。
そんな姿があまりにも憐れで、この映画の醜態さをよく表している。

ハーヴェイ・カイテルの演技力の高さが光る名作。
映画館で観られて良かった。
よつゆ

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