このレビューはネタバレを含みます
『オーメン』シリーズの前日譚として、ダミアンが生まれるに至った経緯を、ミステリーやサスペンス要素を散りばめながらきれいにまとめたという印象。ダミアン誕生というゴールがわかっている中で、鑑賞者をハラハラさせ飽きさせないという難しさをうまく克服している。
一作目をオマージュしているような不穏な人の死に方や、アンチクライストを待ち望む人達の登場など、シリーズだから味わえる相似を見つけるのも楽しい。
古い映画で独特のおどろおどろしさのあった一作目の雰囲気は減衰しているかも。とはいえ、新しい映画だからこその洗練されたカメラワークや特殊効果、脚本の洗練といった美点もあるということはちゃんと評価したいし、映像やストーリー展開は楽しめたので特に文句はない。
本作単体では筋が通っているが、一作目の内容との違いがあったり（ダミアンの生母の墓のくだりがよく分からなくなった）、新情報（ダミアンは双子の片割れだった）が開示されたり、といった違和感は、さらなる続編への布石なのかな?
