このレビューはネタバレを含みます
2023年末にエクソシストのリブートが公開され，2024年初春にオーメンのプリクエルが公開される．ハリウッド業界もネタ探しに大変なのですね．でもこっちとしちゃあ面白けりゃ，リブートだろうがリメイクだろうが新解釈だろうが結構なお話であります．こんばんわ．三遊亭呼延灼です．
そう，本作のように傑作であれば，元ネタが古かろうがなんだろうが問題にはならんのですよ．なんなら，「どうだぁーい，一作目観たくなっただろぅ」ってくまだまさしさん風勧誘しちゃいますですよ．
で，本作．一作目をリスペクトしつつ，エッジを効かせた新解釈を盛り込み，しかもちゃんと怖い(ここ大事!)．耶蘇教会という西欧社会最大の権威が暴走した果てに見せた狂気．当然連想したのは，呼延灼のオールタイムベスト第3位にランクの超級傑作『マーターズ』でした．あぁ当然オリジナルの方ですよ．リメイクしたアメリカ版は雲子なので，観なくても大丈夫です．
先鋭化した宗教の，さらにその先にあるのは狂気でしかない，そして教義の名の下で宗教家は全てを正当化する，とマーターズは語っていましたが，まさのそれを同じ事が本作では語られていました．その結果が彼らの望んだものであるという保証はどこにもない，という事もまた『マーターズ』と同様でありましょう．成人となったダミアン(サム・ニール!!)の行為を，私は憶えていません(大昔に観てるはずなんですけどね)，教会の思惑通りだったのか，というかダミアンという存在そのものが教会にとって，どのようなものだったのか．できれば新解釈でリメイクしていただけると面白いやもしれません．
