もしかしたら子供達の唯一の拠り所かもしれないし、壊れても修復して拓ける未来があるとしたら、こんなに意義のある任務はない…
ロサンゼルスの公立学校の為に楽器を管理し、自分たちと同じく今まさに楽器に導かれようとしている学生の情熱を守ろうとする職人達のドキュメンタリー。
裕福でなくとも子供達が楽器を、情熱を手放さずに未来へと進める無償プログラム。そんなLAにある倉庫で働く金管、木管、弦楽器、ピアノを担当する4人の職人、それぞれの物語に触れながら〝修復〟に捧げる人生を見つめる。
39分の作品とは思えない濃密な余韻に、アカデミー短編ドキュメンタリー賞受賞も納得！
音が出ない理由やヒビのある箇所を丹念に突き止め、古い楽器を次の世代にも響かせようとする。そんな誰にも知られず薄暗い倉庫で心を込める職人たちの志がじんわりと胸に響いてきた。
なので欲を言えば、作業工程をもっと詳しく観たかったけど、子供達の笑顔やラストの演奏シーンも素晴らしかった。
