藤井道人監督、脚本、長澤まさみ、坂口健太郎、横浜流星、寺島しのぶ、リリー・フランキー出演、今村圭佑撮影、野田洋次郎音楽、2024年作品。
死後未練を残して世を去ったため、まだ“その先”に行くことが出来ずにいる人々の奇妙な物語。ネオンを灯した廃墟のような遊園地や野外スナック、夜に連なるパレードなどシュールでファンタジックなシーンが印象的だ。この世とあの世の中間的な位置ながら、そこに集う人たちは皆落ち着いていて達観的なムードがあって良かったと思う。淡くて優しいタッチもどこか日本的で好感が持てた(笑)
なぜに主人公の元報道リポーターの美奈子(長澤まさみ)ではなく、元映画プロデューサーのマイケル(リリー・フランキー)を引き立てて劇中の映画をクローズアップするのだろうか？と思ったが、調べると実在の映画プロデューサー河村光庸を偲ぶ意味合いがあるらしく、それなりに納得。
全員の人生を追わず、ルールなど無い世界をゆったりしたテンポで描いているのも結果的に作品として良かったかも知れない。観て良かったと思う。
