【第25回東京フィルメックス 特別招待作品】
ツァイ・ミンリャン監督の行者シリーズ10作目。スミソニアン国立アジア美術館の委託を受けて制作された作品。ベルリン映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門に出品された。
これも行者に扮したリー・カンションがゆっくり歩くだけなのだが、前作『何処』と違って主に自然の中を歩く様子が映される。
観る睡眠促進剤といった感じで気持ちよく寝落ちした。『何処』では緊張感に溢れたシーンがあったが、本作は特にそういうのはない。
完全にミンリャンのアート作品。映画としての盛り上がりも何もないけれど、ミンリャンの世界に浸るだけで幸せ。ゆっくりだが歩みを止めない行者、留まることを知らない行者はどこへ向かうのだろうか。