このレビューはネタバレを含みます
あなたはどこまで耐えられるか。
悲劇を背負ったホテルへと短期間の仕事にやってきたジャック一家。ジャックは徐々に正気を失っていくが、一家の運命は果たして。
スティーブンキング原作、スタンリーキューブリック監督のサスペンスホラー映画。序盤から中盤にかけては主にホラーが後半にかけてサスペンスと、前半とはひと味違うホラーの要素がそれぞれ楽しめる。生まれてこの方ホラー映画は意識的に避けてきたが（内容がどうのこうの、というよりも後遺症的なものがとても苦手だった）、量ではまかなえない質がこの映画にはあるように思われて、避けずに通った。途中何度も、ここで終わろうと思った。それでも最後まで見させられてしまったのだから、やはりこの作品、そしてこの監督は並ではないな、と思わされた。
前半の一般的なホラーに近いシーンではこの監督の作品に見られる効果的な音響などを使ってしっかりとホラーの要素までのフリが効いていたため、身構えて観ることができた。ホラーが苦手という人でもどうにか切り抜けられるぐらいには収められているように感じた。
後半に差し掛かるあたりで、スタンダードなホラーとは一線を画するような、まさに猟奇的な物語とそれを表現するジャックニコルソンが目一杯に押し出されていて画面に釘付けになってしまった。
後に残る苦みが少ないにも関わらず人間の狂気というものを使ってしっかりと怖い思いをさせられた。
