TAK44マグナム

ガメラ 大怪獣空中決戦のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)
4.1
お子様の味方だったガメラを地球の守護者(あくまで人類の守護者ではない)として平成の世に復活させた大怪獣映画第一弾。

遺伝子改良によって古代人に作られた怪鳥ギャオスを倒すために、ガメラも海の底から出現。
日本を舞台に決戦の火ぶたが切られる!

現代の都市に怪獣が存在したら?
というifを、真面目にシミュレートしてみたのが本作です。
一匹の巨大な獣がたたずむだけで、都市機能が完全に麻痺してしまう現実。
そして、ギャオスを希少動物として、最後まで保護の方向で動く政府の動向も興味深いです。

スティーブン・セガールの実娘が、大根演技ながらもガメラと感応する少女役を熱演。
ギャオスを調査する鳥類学者役は中山美穂の実妹の中山忍です。

何といっても、ミニチュアワークの職人芸がすごい!
昔ながらの特撮でも、これだけのものが出来るという証明でもあります。
反面、ギャオスの飛行シーン等の画像合成のレベルは、いま見るとショボいです。
しかし、潤沢には程遠い限られた予算での、この完成度は驚異的であって、映画は予算ではなくて、演出のセンスや脚本(伊藤和典なので鉄板)、そしてアイデア次第で出来はどうにでも変わるんだという良い見本だと思います。

特技監督は樋口真嗣が担当。
なので、エヴァンゲリオンの画づらが好きなら、通じるものがあるかと。

日本の怪獣映画の中でも、かなりお勧めな一本です。


劇場、セルDVD、セルブルーレイ(海外版)にて