音楽院の女子寮に住むジェスは、寮母とともに10人で暮らしていた。
クリスマス・イブのパーティの最中にかかってきたイタズラ電話に、勝気なバーブが『変質者』と怒鳴ったことから事件は始まった。
その後、電話がかかる度に学生が殺されていく。
『ハロウィン』などにも影響を与えた、ホラー映画の走りとも称されるサスペンスホラーの傑作。
衝撃の『エクソシスト』(’73)で、ホラーの新しい潮流が起きた翌年の作品である。
スラッシャー映画の元祖と言うと語弊があるかもしれないが、後世に大きな影響を及ぼしたことは間違いない。
原題は『Black Christmas(黒いクリスマス)』。
女子学生寮を舞台に、奇怪なイタズラ電話から始まる連続殺人を描いた作品です。
主演は『ロミオとジュリエット』『サイコ4』のオリヴィア・ハッセー。
共演に『2001年宇宙の旅』のキア・デュリア、『悪魔のシスター』のマーゴット・キダー。
アメリカでは本作のモデルとなった事件があって、それが現在ではいわゆる”都市伝説”的な出来事として語り継がれているようです。
都市伝説の内容(日本版)は、
【ある女性宛にかかってくるイタズラ電話が次第に過激化していき、ついには殺人を仄めかすようになる。
怖くなった女性が電話で警察に相談すると「次に掛かってきた時に逆探知をする。しっかり施錠をして誰も家に入れるな。家にいる限りは安心だ」と言う。
女性が電話を切ると、すぐまた殺人予告の電話が掛かってきた。
女性がその電話を切ると、今度は警察から先ほどとは打って変わって焦った口調の電話が。
「早く家から出て!犯人はお宅の二階から電話を掛けています!」】
「電話を逆探知したら、あなたの家からかかってきている」は初めて聞いたときはゾクッとする都市伝説ですよね。
本作は、この都市伝説を元にして製作されている。
この映画、サスペンス的な要素が強いが、基本的なプロット構成は『13日の金曜日』などの大量殺人鬼パターンにも似ている。
1970年代の映画ですが、ドアから覗く見開いた目や、殺人者と隣り合わせである恐怖などがよく描かれていたと思います。
冒頭から不穏な音楽とクリスマスムードの家の映像がセンスよすぎてワックワク。
見えない殺人鬼の正体が段々と近づくに連れ、否応無しに不気味さが高まります。
また、殺人鬼の描写が不気味にして秀逸。
名前なし・動機不明・不条理系サイコ野郎の元祖と言って良いかもです。
電話による被害者への精神攻撃が大変不快で恐ろしい。
「えーへへ~エヒー、この豚野郎がぁ~、ぶち殺してやろうかぁ~」
とか、どこでそんな安い台詞覚えてきたんだよ!って感じです。
犯人ハァハァ系作品のはしりでもあるかもです。
しかし、スプラッターが好みの方には不向きかも。
殺人の仕方や死体には雑さを感じます。
また、矛盾やツッコミところが多いです。
寮生が行方不明になったのに寮の中をしっかり探さないというのは、最も有名なツッコミところですね。
けーさつー!
それでいいんですかー!
あと主人公、「とりあえず外に出ろよ!」って感じ。
また、最初に殺された学生以外は皆老けて見えて、この屋敷が女子学生寮だと思えなかった。
オリヴィア・ハッセーは終始ヒステリックな演技で、面倒くさい女子キャラで、観ていてこちらがキーッとなるし。
とりあえず皆さん、家に居れば安心だと思うのは過信ですよ~。