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殺人者のtransfilmのレビュー・感想・評価

殺人者(1946年製作の映画)
4.2
1946年、ハリウッド黄金期に公開されたフィルム・ノワールです。
一般的にはB級映画監督としてみられていて、表舞台で脚光を浴びることはほとんどなかったロバート・シオドマク監督が
生涯で唯一アカデミー賞監督賞にノミネートされた作品だそう。
本作はバート・ランカスターのデビュー作でもあり、
エヴァ・ガードナーの出世作にもあたるそうです。

ミステリー寄りの作品で、
最後まで観ないと結末はちゃんとわからないタイプの作品だと思う。
映画の雰囲気自体は他のフィルムノワール作品と同様、やや暗くて、ハードボイルド。
個人的には、確かにB級映画っぽいところも感じたけど
内容はなかなかだし面白かったと思う。

エヴァ・ガードナーは、この映画が出世作であると同時に代表作でもあると思う。
最近はクラシック映画も観るようになったので
その時代の俳優の名前をかなり覚えたけど、
エヴァ・ガードナーは、ハリウッド黄金期の映画を観始める前から名前だけは知っていた女優の一人で、
結構知名度のある女優なんじゃないかな?と思う。
そんな、映画の歴史に残る女優が最も輝いていたときの作品。
というだけで、なんとなく重みを感じる。
僕的には、この映画の一番の魅力はその部分でした。

若いころのエヴァ・ガードナーは、「ファム・ファタール」が完璧に似合う人だったんだと感じた。
フィルムノワールである以上に、ファム・ファタールが好きな人にお勧めできる作品かなと思います。
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