台湾東部の都市・台東と南部・枋寮を結ぶ南廻線で働く人や沿線に住む人、そしてこの路線を作った人たちなどのインタビューと過去の映像で構成されたドキュメンタリー。
2014年に初めて電車で台湾島を一周した時、車窓から見える景色のあまりの美しさに見惚れて以来この路線がずっと好きで、ただただ「南廻線が好きだから」という理由だけで鑑賞。
車窓からの景色が好きなだけで南廻線に関する知識とかは全くなかったので、12年かけて10回以上の計画修正を経て、時には事故で死者を出しながら完成したこと、過去に何度も路線上に障害物が置かれ、脱線事故が頻発したこと、沿線は落石や土石流の危険を常に孕んでいることなど、美しいだけではない南廻線に纏わる話を聞けて、適切な表現ではないけど、すごく興味深かった。
特に路線上の障害物で脱線事故を起こした運転士さんとその奥さんのインタビューが印象的で、いつも電車に乗る時に安全に運行されるのが当たり前で、そのことに意識を払ったりはしないけど、運転士は乗客の命を握っているという緊張感の中で運転しているということを知って、頭が下がる思いだった。
一緒に行った、南廻線に乗ったこともないしあまり興味もないツレは開始1時間くらいで寝始めた&斜め後ろの方からも寝息が聞こえて来たので、台湾の鉄道に興味がある人じゃないと全部観るのは辛いのかも、、、
この映画を観て南廻線に興味を持った人は一度乗ってみることを強くオススメします。
最後に南廻線に乗ったのが2017年でまだ電化される前だったので、次の台湾旅行では久しぶりに大好きな南廻線に乗って大好きな町・太麻里を再訪しようと決意。
余談。
枋野駅の駅長さんの「寂しさは辛いけど、孤独なら楽しめる」っていう言葉がすごく印象的だった。