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悪い夏のodyssのレビュー・感想・評価

悪い夏(2025年製作の映画)
3.3
【クズとワルしか出てこないわけではないが】

予告編では「クズとワルしか出てこない」となっていましたが、実際に見てみると、そういうわけでもない。

北村匠海演じる市役所職員は、ちょっと純情すぎ。
また、河合優実演じるシングルマザーにしても、育てられ方が悪かったわけで、根底的な悪人ではない。

逆に、この映画では諸悪の根源的なのは、窪田正孝演じるヤクザでしょう。
その辺が、厳しく言うならば物語の設定として甘いと思う。

加えて、生活保護を受けられるか否かは本人にとっては重大な問題ですが、今の日本は先進国としては審査が極めて厳しい。
たしかに、この映画に描かれているような不正受給者もいるのではありますが、この映画で同時に描かれているように、必要なのに受給できない人もいるわけです。

実際、日本の生活保護受給率は、先進国で最低です。
むろん、不正受給は許されることではありませんが、他の先進国では「不正受給が多少あっても、本当に必要な人が受給できないのはまずい」というコンセプトがあるのに対し、日本は「本当に必要な人が受給できなくでも、不正受給を阻止する」というコンセプトになっている、ということを認識しておくべきなのです。しかしこの映画を見た人間が逆のメッセージを受け取るのではないかと、私は危惧する者です。
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