純

エリン・ブロコビッチの純のレビュー・感想・評価

エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)
3.8
人生には、意地を見せるときがある。踏ん張ること、走り続けることだけが正しさではないけれど、力をふりしぼって到達する場所もあるのだろうと思う。守りたいひとたちがいる彼女が、がむしゃらにつかんで、どんなときも離さないで、強くなった人生のワンシーンは本物だ。

右も左もわからなくても飛び込んでいく勇気が必要なことが重い。誰も彼も自分のことだけで精一杯であることは責められないけれど、本当に自分の人生は自分で切り開いていくしかないんだな。強気でいることもひとつの挑戦で、決して弱さを見せないこと、自分を信じることが彼女のけじめだったのかもしれない。意志がないと失ってしまうばかりの世界だから、わたしたちは頑張るしかないのかなあ。それはときにすごく寂しくて、同時にわたしたちを奮い立たせる事実でもある気がしている。上手くいかないのはあなたのせいじゃなくて、「今」はその波が来ていないという、ただそれだけのこと。何か適切なきっかけがあれば、わたしたちは頑張ることができるよね。

これだ!と決めたことにまっすぐ突き進む彼女のスピード感はすごかったなあ。わたしがやらなくちゃ、という使命感ってすごい。内側から突き動かすようなエネルギーを生み出す仕事って、本当に天職なのかもしれないな、なんてことも思う。直感に従う、という行為は正しい気がする。ひとは案外、なんとなくだと思っていても実際は大切なことにちゃんと気づいているから。だから、大切なことを逃がしてしまわないようにしないといけない。大切なことに対して正しい頑張りができるのは、とても素敵なことです。
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