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ピッチブラックのRのネタバレレビュー・内容・結末

ピッチブラック(2000年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2000年のアメリカの作品。

監督は「パーフェクト・ゲッタウェイ」のデヴィッド・トゥーヒー。

あらすじ
3つの太陽が照らす惑星に宇宙船が不時着。その中で護送される途中だった凶悪犯罪者のリディック(ヴィン・ディーゼル「ソー ラブ&サンダー」)はなんとか惑星から脱出しようと、生存者たちと共に暗闇で生息する肉食エイリアンの群れと生き残りをかけて戦う。

アマプラにて。

ヴィン・ディーゼル主演のSFシリーズの一作目。確か午後ローかなんかでやってた時に一回だけ観たような…。全然覚えてないので途中でリタイアしたのかもしれない。

ただ、再チャレンジで今回観たら…結構面白かった!

のっけはよくあるSFスリラー、特にたぶん観た人みんな想像するように「エイリアン」っぽい。不気味なまでに静かな惑星と時折不安を煽るような音響とシーン。ただ、それ以上にこれはカメラの画質なのかわかんないけど、これ本当に2000年の作品なの?ってくらい絵面がチープ、多分舞台が皆既日食下の惑星ってことだからかもしらんが、すごく画面全体が白くぼやけちゃってる感じがしていて、なんか観ていてすごく辟易する。

なもんで、このままずっと続くのかよ…と思って今回も途中やめ…と思っていたら段々面白くなる。

そう、肉食エイリアンの登場だ!

今作のエイリアンの特性としては日射を浴びると火傷してしまうことからも分かる通り、完全に目が退化してしまっている状態、加えてポケモンのエアームドみたいな金属製を思わせる先鋭的なデザインとエイリアンらしい銀色ボディが特徴的。で、攻撃手段は啄む!女子ども構わず無差別に襲い掛かって後にはドロドロに食い散らかされた死体が残るのみという恐ろしい肉食エイリアンだ。

で、そんなエイリアンに立ち向かうのが我らがヴィン・ディーゼル演じるリディック!まだムキムキにパンプアップする前の若い頃のスマートマッチョボディで、なんか水泳ゴーグルみたいなサングラスをかけてる姿見それ自体は果てしなくダサいんだけど、なんつーかすげぇツンデレ笑。本当は凶悪犯罪者なわけなんだけど、全体の脱出に協力するのはもちろんのこと、エイリアンと対峙して怯える子どもに「動くな。」と指示出ししたり、惑星脱出のための一個35キロもあるエネルギーみたいな燃料を一人で3個くらい運ぶなどなんだかんだ頼れるナイスガイだ。

あと、グループに合流する前のみんなが警戒する中でお酒グビグビするシーン受けたw

で、他のメンバーはリディックを護送する警察官だと思ったら実は賞金稼ぎのウィリアム(コール・ハウザー「ドラッグ・チェイサー」)や副操縦士のヒロイン、キャロリン(ラダ・ミッチェル「ラン・ハイド・ファイト」)を筆頭にケチなおっさんの古物商やリディック憧れの少年、そしてなぜか巡礼者のグループがいるという割と個性豊かな面々。

ただ、そんな面々も1人また1人とやられていくわけなんだけど、やられ方が割とグロいのも特徴的。胴体引き裂きをはじめ、顔の肉えぐられ死に、胴体を貫かれた状態で頭パックンチョなど一人一人が「こんな死に方は嫌だ」を地でいくスタイルで面白かった。

特に中盤、みんなでディズニーとかで昔よくあったパキッと割ると蛍光灯が光るあのチューブのでっかい版を体に巻き付けて遠くにある脱出機まで運ばなくてはならないくだりがあるんだけど、その途中、あまりの無理ゲーに「もうこんなとこごめんだ」と1人逃げ出す古物商が持っていたチューブの灯りが消えて、真っ暗な中で「フランスに行きたかった…」と最後の言葉を残して酒をグビッと飲むと酒で引火した火を口から吹き出し辺りが一瞬明るくなるとそこにはエイリアンの群れが…のシーンとか恐ろしさもありつつ、シーンの新鮮味もあって良かったなあ。

あとは、ラスト。言うてもヒール的スタンスではあるからリディックが単身逃げ帰り、無事宇宙船に到着、その後を追ってキャロリンも到着するんだけど、避難場所に残した味方を助けに戻ろうとするキャロリンにリディックが「このまま脱出しちゃうおうぜ!」と甘い誘惑を持ちかけるんだけど、キャロリンはその誘いをつっぱねて「自分の生命よりも生き残りの命を選ぶ」という道を選ぶ。

ポイントは冒頭、惑星に墜落する寸前、乗客が乗ったポッドを切り離す=見捨てるという選択をとろうとしていたキャロリンがその発言をしたこと。

そのことでリディックも「見届けるぜ」とニヒルに加勢するという…やっぱツンデレ!!

で、ラスト誰が死んで誰が生き残るのか…。いやぁ、これは予想出来なかった。ただ展開としては非常に良い。しかも、最後の発言然り、リディックが真の意味で「ヒーロー」となっていくビギニングと考えるとめちゃくちゃ熱いラストだとも言える。

そんな感じではじめは画面のチープさに辟易してたけど、エイリアンが出てきて、サバイバルが始まると次第に引き込まれていき、最後はぶち上がる、理想的なジャンル映画だと思います。
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