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CURE キュアのninekoのレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
4.6
いまさら僕が何かを言うまでもないマスターピース。「フィルムに映ったからには何か意味があるはず」と考えずにはいられない我々の意識を弄び、あらゆる解釈をシニカルにかわしてゆく本作は、ジャンル映画(ミステリーとか、サスペンスとか)の形をとった全く異質の何かであり、それゆえに所謂ジャンル映画が絶対に辿り着けない高みに鎮座している。以下は黒沢清監督自身の言葉。

「事件として振り返ればいろんな物語がくっついてきますが、今まさに目の前で起こると、意味はわかりません。何喰わぬ顔で人を殺す瞬間自体を起こすことができるのが映画の強みなんですよ。映画の中のあの瞬間から、何の物語を読み取ろうが自由です」(『黒沢清の映画術』)
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