耶馬英彦

劇場版モノノ怪 第二章 火鼠の耶馬英彦のレビュー・感想・評価

3.5
 前作の「劇場版モノノ怪唐草」が難解だったのに比べ、本作品はわかりやすい構図だ。前作の鑑賞後に、続編が事情や世界観を明らかにしてくれるのではないかと期待したが、単に続きの物語であった。
 愚かな男たちが登場し、父親の愚かさが伝染した娘とともに、大奥に伝わる女たちの情念の犠牲となるが、その辺は途中から予測できた。ただし薬売りの素性は前作同様に謎のままだ。この男はどのようにして薬売りになり、どうやって特殊能力を身に着けたのか。
 薬売りの素性がわからないのは登場人物である女たちにとっても同様だろう。しかし女たちは薬売りを信じる。理屈ではなく、おそらく直感なのだろう。女の勘というやつだ。そして女の勘は、大抵の場合、間違っていない。
 映像美と上下左右を立体的に動き回るダイナミックな空間表現は、前作と同様に素晴らしい。クライマックスでは何故か上半身が裸になってたくましい体を披露するのも前作同様だ。このシーンに薬売りの秘密がさり気なく表現されているのではないかと、当方は睨んでいる。
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