ぐるぐる

ファーゴのぐるぐるのネタバレレビュー・内容・結末

ファーゴ(1996年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

実話じゃないのか!
でもこれは良い裏切りだと思う、全然がっかりしないので
冒頭にあのメッセージが流れることで、構えて観ていたのでそれなりに私の中のハードルは上がっていた
それでも現実は小説より奇なりで納得できるラインすれすれを行っているので、妙な説得力を持って最後まで鑑賞
結局フィクションと分かっても満足できる
裏切られて尚満足できる稀有な作品

滑稽なのは嘘をつき続けるジェリーと何とも頼りない殺し屋カール
2人とも自分に芯がないというか、金さえ手に入ればOKみたいなところが似てる
ラスト、ちっぽけな金のためにここまで…というマージの嘆きはギアーには届かないのも納得
それはジェリーとカールに向けられるべき言葉だったと思う

ジェリーがマージに店で詰められてぷっつんと切れるシーンの表情は最高だったなあ
自分の思い通りにいかないものだから逆ギレしてしまうあまりの器の小ささに、思わず笑えてしまう
またマージの方も、善良なるかはさておき何かしら事件に巻き込まれたぐらいの人物と見て事情聴取してた男が急に逆ギレしてきたときの表情も最高
ほーーん?みたいな顔で数秒間じっと彼を見つめてるときの緊迫感、ややそれに怯んで軟化するジェリーの惨めさが際立つ
カールについては終始頼りないし、目撃者から変な顔の男呼ばわりされててもう格好悪すぎて笑える

実話と見せかけ役者さんたちの圧倒的な演技力により緊迫感を漂わせたシリアスな映画と思って観てたけど、事実を知ってから思い返すとコメディでしかないという心地よい裏切り
楽しみました