ぐるぐる

デカローグ デジタル・リマスター版のぐるぐるのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

一話ずつ日を分けて鑑賞。
かなり好きな類の作品、出会えて嬉しい限り。

第一話 ある運命に関する物語
2024.5.20
映画館で鑑賞した話だった。
インクのシーンと見るからに知的好奇心旺盛な男の子が印象に残っていた。
お父さんや叔母さんとの会話ひとつひとつが重要に感じられてくる。
魂はあるのか…あの年頃は死に興味を持つよなあ、焼肉の火を見て地獄が怖くて泣き出した記憶が蘇る。
信仰のあり方は人それぞれだけど、神も科学もそれだけで世界の全てを説明できたりはしない。
ラストのお父さんは小さな子どものように見えた。

第二話 ある選択に関する物語
2024.5.21
人生は選択の連続と言うけれど、その選択が人生を左右するとき、人はなかなか選択できない。
そんなときほど人のせいにしてしまえたら気が楽だ。
事実だけを拾い集めるなら言い切ることはできないことを、その人のために言い切ることは嘘になるだろうか。
どうするのがよかったのだろう、と悶々と考えてしまう。

第三話 あるクリスマス・イヴに関する物語
2024.5.24
これが女心というものなのか、ここまで複雑だと理解し難い。
同情はいらない、あのときの羨望の眼差しと愛の囁きが欲しい、そんな感じなのだろうか。
寂しいことを寂しいと誰かに言えないのが1番寂しい。
親もいないぐらいの年齢になってからの孤独はたぶん若いときの孤独とはまた違う静けさと暗さを持って押し寄せてくるんだろうな…まずはああ寂しいという気持ちと向き合うしかなさそうに思う。

第四話 ある父と娘に関する物語
2024.5.24
親子って不思議だ。
結局真実は知らない方がよいのかもしれない。
真実がわかったところで、2人は苦しむし離れられなさそう。
それならそうだったのかもしれない、くらいの認識で生きていられる方がよいかもしれない。
一度親子の関係を結ぶことは一生変えられない人間関係を結ぶことであって、よくもわるくも結婚離婚というものに関係なく互いの無意識下にその感覚は残り続ける。
子になることは生まれたときからそうだけど、親になることは選択であり責任が伴う。
社会人になって何度も思うけど、自分の親ってすごいんだなと思う。

第五話 ある殺人に関する物語
2024.6.2
これまでの鮮明な映像とは打って変わって何か画面の周囲が覆われているような映像かつ色もセピアのような色褪せた雰囲気になっていた。
新米弁護士と殺人を犯してしまう若者と被害者の様子が同時進行で描かれる。
自然状態で見出された法則などでは決してない、人間が作り出した法によって裁かれる人間が存在する状態。
弁護士に対して判事?が君は繊細すぎると言っていたけれど、法を守ることが人間を救うことに繋がるのでなければ何のためにあるのだろうか。