アジア系で初めてエトワール(パリ・オペラ座の最高位)になった、パク・セウン。
それは素晴らしいが、アバラの浮き出た身体は如何なものか？
バレエは見た目が全てだから。
IMAXにしては画質も音質もイマイチ。IMAXカメラじゃないと思う。
4300円はボッタクリ。
『熊川哲也 Kバレエ カンパニー 「白鳥の湖」 in Cinema』の方が、はるかにいい。

イギリス•ロイヤルバレエでの白鳥の湖とはまた全然違う、パリ•オペラ座のバレエも素敵だった。

主演の白鳥と黒鳥を演じるのはパク•セウンという韓国人バレリーナで、一般的にスタイル抜群の外国のバレリーナたちを押しのけて主演されていることに驚いた。

悪魔役•ロックバルトは今までこんなに踊る姿を見た事がなく、とても存在感があったのも新鮮で、振り付けする人によってこんなにも印象が変わるのも面白く感じた。

白鳥の姿では純真な雰囲気であるが、黒鳥の姿では妖艶で、32回転のグランフェッテを見事に決める姿には感動した。

白鳥の湖と言えばやはり白鳥たちのコールドバレエと言われる群舞が最大の見どころだと思うが、こちらのコールドバレエも群舞ならではの隊列や移動、挙げた腕をピタリと止めて待機する姿も見事に一致していて素晴らしかった。

バレエは優雅に見えるが、ダンサーたちの鍛え抜かれた筋肉や肉体は日々の賜物なんだなと感じ、チャイコフスキーの旋律に乗せて映る姿は美しかったし、こちらの白鳥の湖はとても悲哀感があり、そこがまた良かった。

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私にはバレエ経験はありませんが、ダンサーの美しく洗練された身体的表現を見ることが好きです。最近はYouTubeで様々なダンサーさんたちの動画が楽しめますが、実際に舞台で公演を見に行くとなると さすがに敷居が高い。なので映画館での上映は気軽に見ることができて嬉しいです。

おなじみの演目『白鳥の湖』。ヌレエフ版は悲劇で終わりますが人気は高いそうです。王子役のエトワール、ポール・マルクさんの手足が長く、均整の取れた体型からの柔らかく美しい動きと大きく優雅なジャンプに見惚れます。悪魔ロットバルト役パブロ・レガサさんの大胆で力強く華麗な動きもとても魅力的でした。

そして、白鳥/黒鳥二役のエトワール、パク・セオンさんは東洋人的体型ながら、目を惹くテクニックと演技力でその魅力を見せつけます。とにかく背中が美しい。羽のように腕を引き上げた瞬間は天使のよう。正に身体の芸術です。黒鳥も妖艶な演技で32回転のグランフェッテは圧巻でしたが、個人的には白鳥が彼女の端正な美しさにぴったりだと思いました。どの動きひとつを切り取っても隙がなく、積み上げられた鍛錬からにじみ出るオーラに包まれたエトワールは至高の美しさです。

映画として編集されているので舞台とは異なり、様々な角度からの映像やアップもあり、ダンサーたちの指先や表情まで見て取ることができます。特に白鳥の群舞は上からも映されるので、丸くて白いチュチュが記憶に残ります。

韓国人のエトワールの他、黒人ダンサーや他にも東洋系の顔がちらほら見え、国際色豊かなオペラ座の風景も垣間見えました。バレエに国境はないのですね。

チャイコフスキーの音楽とともに、磨き抜かれた美を堪能した至福の140分でした。