ナツミオ

ブレイブ ワンのナツミオのレビュー・感想・評価

ブレイブ ワン(2007年製作の映画)
3.5
WOWOW録画鑑賞

 ”正義の処刑人“

恋人を暴漢に殺されたヒロインが、いつしかNYの街に巣食う悪者どもを自らの手で始末する復讐の天使へと変身していく。
人気女優ジョディ・フォスター主演の衝撃的なサスペンス。

原題 『The Brave One』

2007年米作品123分
監督 ニール・ジョーダン
製作 ジョエル・シルヴァー スーザン・ダウニー
原案・脚本 ロデリック・テイラー ブルース・A・テイラー
脚本 シンシア・モート
撮影 フィリップ・ルースロ
音楽 ダリオ・マリアネッリ
出演 ジョディ・フォスター テレンス・ハワード ナヴィーン・アンドリュース
メアリー・スティーンバージェン ニッキー・カット 

翻訳者 アンゼたかし

(WOWOW番組内容より)
NYのラジオの人気DJ・エリカ(フォスター)は、ある晩、挙式間近の婚約者デヴィッドと公園を散歩中、3人組の暴漢に襲われ、デヴィッドは亡くなり、彼女自身も瀕死の重傷を負う。絶望の底に沈んだエリカは、ふと衝動に駆られて1丁の銃を手に入れるが、そんなある日、コンビニで偶然、強盗の現場に遭遇する。再び命の危険にさらされた彼女は、とっさに相手を撃ち殺してしまうが、以来、彼女の中でもうひとりの新たな自分が目覚めていき……。

(WOWOW解説より)
最愛の恋人を暴漢に殺されたのが事の始まりとはいえ、一市民が正義の名のもとに制裁を下すことは許されるのか……。
チャールズ・ブロンソン主演の往年のヒット作「狼よさらば」の流れを受け継いたビジランテ(自衛市民)を描く内容に劇場公開当時、一躍物議を醸した問題作。
それはともかく、絶望の底に沈む被害者から復讐の天使へと生まれ変わっていくヒロインの振れ幅の大きい心情を、リアルかつ説得力豊かに演じてのけるのは、さすが才色兼備のトップスター、フォスターならではなのは確か。

婚約者を殺害されて、銃を手にして自ら悪を裁く道を選択したヒロインにジョディ・フォスター。本作では、製作総指揮も兼ねる。
アメリカが抱える9.11後の病理を、ひとりの女性の生き方に重ねるサスペンス・アクション。

フォスターの役柄はラジオ局の人気DJ。
冒頭からの彼女のナレーションは、ずっと聴いていたい。詩や本の朗読などしたら、ずっと聴いて引き込まれそう。

主人公エリカ(フォスター)が偶然居合わせたコンビニの銃撃犯に初めて銃を撃つシーンは、『羊たちの沈黙』で暗闇の中、怯えながら銃を構えるクラリスを想起させる。

中年になっても美しさは健在で、その演技も円熟みを増している。

しかし、NYの負の一面とも言える物騒な大都会の姿は、怖すぎ。
主人公がフィアンセのデヴィッドを失い喪失感から負のスパイラル、そして復讐の天使へと変わる、その変貌ぶりが見どころ。

そして終盤の復讐劇は、
 エッ⁈そうなるの⁈

 という驚きも…

そして、彼女の興味から取材し親しくなっていくマーサー刑事役、テレンス・ハワードが謎の連続殺人を追うことで次第にエリカとの接点に近づいていくが……。




【忘備録】ネタバレ含む
(キャスト)
・エリカ・ベイン Erica Bain
- ジョディ・フォスター
ラジオパーソナリティ。
婚約者のデイビッドを殺され、自身も重傷を負ったこと、偶然銃を手にしたことで人生が歪み、犯罪者を抹殺する執行人となる。

・ショーン・マーサー 
Detective Sean Mercer
- テレンス・ハワード
刑事。
事件を通してエリカと関わるようになる。

・デイビッド・キルマーニ 
David Kirmani
- ナヴィーン・アンドリュース
エリカの婚約者。
暴漢に襲われて死亡する。

・ビタール Detective Vitale
- ニッキー・カット
刑事。

・キャロル Carol
- メアリー・スティーンバージェン
エリカの友人。

・ニコール
- ジェーン・アダムス
エリカの友人。

・クロエ
- ゾーイ・クラヴィッツ
エリカが出会った少女。

・リー
エリカとデイビッドを襲った暴漢の一人。
・リード
エリカとデイビッドを襲った暴漢の一人。
・キャッシュ
エリカとデイビッドを襲った暴漢の一人。
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