ゾロ

アラビアのロレンス/完全版のゾロのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2000レビューまで来た☺️

BS自動録画分鑑賞

1916年 第一次世界大戦中
中東ではエジプトを拠点としたイギリス軍が
パレスティナなどに進出
さらにアラブ民族の反乱が拡大していく
この反乱を指導、指揮したイギリスの陸軍少尉
ロレンスの物語

今ある民族紛争の原因であるにも関わらず、
アラブ民族の視点から第一次世界大戦を
見ていなかった為、とても貴重で勉強になる

各国の相関図や時代背景と
サイクス・ピコ協定の内容や影響
ぐらいは知っていた方が良いかな?

トルコ側の敵対勢力は兵士のみで
トルコの英雄"ケマル・アタテュルク"や
外交官、軍隊、政治家も出てきません

あくまでも、イギリス側の視点で描かれる

主にはロレンスと複数のアラブ民族や部族長
政治場面でイギリス将校や政治家とアラブの王

雄大なカット、夕陽、砂煙、陽炎
遠くに揺らぐ人影や動物の影
自然の脅威と圧巻の映像、ズームアウト
画角、砂漠に浮かぶ船、カメラワーク
アラブの街並み、アラブの建物、遊牧民の生活

アラブの砂漠の世界を満喫出来る
近代兵器前の遊牧民の脅威を垣間見れる

数えきれないほど画的な魅力はあるが
本作、一番の魅力は【ロレンスの悲哀】

結局
英雄になり損ねた挫折に次ぐ挫折の物語

文系風な場違いな軍人が
お前、詳しそうだな…と
現地に行かされる
俺は、英雄(神)になれるのかも?
大きな勘違いをしてしまう
皆を奮起し成功体験もする
人が死ぬという戦時下の認識欠如は
大きな失意と挫折を与える
たどり着いた対岸からは…
『お前は、誰だ?』
何者でも無い、勘違いに気付くが
再度、立ち上がる
拷問され、レイプされ、心が折れる
それでも、奮起し立ち上がり
不条理を理解したうえで、別の未来を描く
町の占拠し、成就するかと思ったが
結局、アラブの自治はならず…

何者にもなれず…
戦争の中の英雄はいなく
体良く利用されただけ…
更に、三枚舌外交の一端を担ってしまった
皮肉以外の何物でも無い…

このロレンスを演じた方が凄い
印象の七変化も見処
線の細さやナヨナヨしさ
時には女性の様な仕草もあり
軍服も似合ってなかったりする癖に
アラブの民族衣装着ると、眼光鋭くなる

過酷な砂漠にいる時は強く見えるが
すぐ、人間的に弱いところを見せる

あぁ無情…すぎる
ゾロ

ゾロ