せーや

喝采の陰でのせーやのレビュー・感想・評価

喝采の陰で(1982年製作の映画)
4.0
劇作家アイバンは、再婚相手のグローリア、5人の子供たちと楽しい毎日を送っていた。
しかしグローリアの家出により、状況は一変する。

「もうひとつのクレイマー、クレイマー」といわれた作品。
離婚、子供の養育権、仕事の不調、鼻のくだりなど、クレイマークレイマーと似通った点は多い。
でも決定的に違うのは、これがコメディだということ。

真剣な場面でのキツいジョーク、大人顔負けの子供たちのシニカルなセリフ。
そしておいおい、となる古典的(?)な演出。
テーマ自体は深刻なんだけど、思わず笑ってしまう。

切羽詰まった状況に陥りながらも常に子供を愛し大切にするアイバンと、子供など一切気にかけず自分の思うままに動く最低な妻グローリア。
どちらに共感するかは明白だしシンプルなストーリーなんだけど、考えさせられる。

「今まで7人のパパに会ったけど、このうちが最高だ」
繊細な年齢のはずなのに常に明るい子供たち。
それはやっぱり不器用だけど自分達を愛してくれる大好きな父がいたから。
血の繋がりなど関係ない。

アルパチーノにとって唯一の普通のパパ役。
意外に似合ってて新鮮だった。
見ていて心が暖まり、気の利いたセリフに笑う。
名作です。
せーや

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