4階建てのアパート？　ごと買って、最上階を自宅にしたおばちゃんがひとりで過ごす、初めての夜の話。
久しぶりにこんなぶっ飛んだ映画を観たな、という感じで、視聴後は「これはとんでもねえものを観たな」って感想で放心状態でした。

冒頭にも書いたように、主人公はとあるおばちゃん。旦那さんが1日出張で、せっかく買った新居でひとり過ごすことになります。
引越し初日なので、あるのはちょっとした家具、小物と、撮影用のマネキンくらい。一通り家事をしつつ夜を迎えますが、地下室に置いていたマネキンがどうも動いている気がする……。
そう、実はこのアパートには霊が棲みついていて、マネキンに乗り移って暴れているのであった！

というわけで、マネキンvsおばちゃんで話が進んでいくんですけど、基本的にシーンがめちゃくちゃくどいです。全体で見た時に、この一晩で一体何時間あるんだ、と思うのはまだ序の口で、

・おばちゃんの食事シーンをノーカットで食い終わるまで撮る
・寝ようとしたおばちゃんが、時計の音が気になってなかなか寝付けない
・最上階にある自宅と、半地下の撮影所までの階段の往復
・無駄に2階もあるおばちゃんのトイレシーン

等々、これいつまで撮るの？　みたいなしょーもないシーンをずっと擦ってきます。
おばちゃんのセリフをもってして「階段の上り下りが面倒」とまで言わせているのですが、監督いわく、すべてのシーンに意味があるとのこと。ほんまか？
ただこの、あぶらぎってくどいまでの天丼に時々挟まるシュールなシーンがなんとも言えずクセになり、またこれまでの引き伸ばしがウソのようにラストでググッと畳んでくるので、気力を全部持って行かれてなお「すげえもんをみた」という感想に落ち着いてしまうのです。

ちなみに、旦那さんの役の人が監督です。というかスタッフはこの人1人しかいません（おばちゃん役の人はマジで役だけ）。しかも撮影が1シーン10カット以上かけるハードさで、ろくに休憩もなかったらしく食事シーンはガチ食いしてます。
あと、しれっとキムチの作り方講座みたいなのが作中で始まります。やっぱこの映画とんでもねえよ。


観た日：2025/9/5

主婦の生活をこんなじっくり見ることも、階段の上り下りとドアの開け閉めをこんな回数見ることもなかなかない
ホラーパート始まったかと思えばそれも同じことの繰り返しで時間が消費されていく
ある意味笑えてくるけどそれ以上に眠気と体感時間の長さがヤバい
もはや尺稼ぎみたいなシーンが本編でおまけにホラーが付いてくる状態の凄まじい映画、一応コメディとして撮影してることは分かるけどセンスと時間感覚が狂ってる
主婦vsマネキンの決戦は普通に笑えたけどそれすら同じようなシーン繰り返し始めるから凄いや

ア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(超ロングトーン)(階段を登る)(階段を降りる)

見たことないタイプの低予算映画だった、まだ知らないものがこの世にはあるんだ
「あの長い階段何？」ってこの映画に関わった人間全員が思ってるんだろうな