らんらん

氾濫のらんらんのレビュー・感想・評価

氾濫(1959年製作の映画)
4.0
監督は増村保造、主演はたぶん佐分利信、カラー作品
主演かと思われた若尾文子の出演シーンがすごく少ない映画

【あらすじ】
佐分利信はとある会社で研究員をしています
長年貧乏暮らしだったのですが、この度新商品発明の功績により重役に出世しました

すると途端に周囲は騒がしくなり、その名声やお金を目当てに人が寄り付くようになります(中村伸郎や川崎敬三、左幸子など)

会社(社長は潮万太郎)からは無理難題を押し付けられるし
貧乏な暮らしから急に重役の妻(沢村貞子)、重役の娘(若尾文子)になった家族たちも以前とは変わっていきます、、、

【感想】
例えるなら
一発屋だったり、高額宝くじが当たった人のその後、みたいな映画かなと
初めはその名前やお金を目当てに人が寄ってくるけど、利用価値がなくなれば人が離れていく
かといってそう簡単にもう一発あてることも出来ない

せちがらいですねー
この映画の佐分利信は決して一発屋ってわけじゃなく優秀な研究者、ただ人間関係の立ち回りが下手
俗物でも要領の良い中村伸郎や川崎敬三のほうが社会では成功するんですよね
世の中大抵そういうもんだけど、せちがらい、みんな見事な手のひら返し

出演者メモ
佐分利信は左幸子と不倫するも騙されてる、沢村貞子は船越英二に真剣になるも弄ばれる
川崎敬三は体目当てに叶順子(濃厚なキスシーンが印象に残る)と結婚の約束をするも出世を考え若尾文子に乗り換える
だが更なる出世のために若尾文子も捨てて次の女へ乗り換える

それぞれが相手に捨てられた佐分利信一家のラストのうつろな感じが印象的
無表情な沢村貞子、スレちゃってる若尾文子、家庭崩壊寸前だけどギリギリ繋がってるのが救いか
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