氾濫の作品情報・感想・評価

氾濫1959年製作の映画)

製作国:

上映時間:97分

ジャンル:

3.8

「氾濫」に投稿された感想・評価

原作未読。

ひたすら奥さんが可哀想よね。あと、理系貧乏研究所の苦労って昔から変わんねえんだなあ。

家族で写真を撮るときに目が下に向く演技で一気に佐分利信のキャラが立つ。

キスの糸引きは意図的なものなのだろうか。良かった。

唐突な往復ビンタには笑ってしまった。当時は(当時も?)強引で暴力的な男の方が魅力だったのだろうか。ただ川崎敬三はなんだか憎めないしやっぱり好き。たまに横顔がハマカーンの神田に似ていて笑ってしまった。

左幸子の顔の演技がすごい。スライムみたいにグネグネしてる。最後の沢村貞子の目も良かった。あれだけで胸がキューっとなって涙が出る。

ピアノ教師のエチケットにも笑った。船越英二の口調が好きだな。

上に登っていくものと下に留まるものとをあからさまに描くラストのあからさま具合が好き。最後に研究所で酒を飲む佐分利信を描写することで佐分利信の身勝手さを強調して、ただの巻き込まれ役でないことを改めて示しているのも良い。

「妄想狂ですよ君は」
呑芙庵

呑芙庵の感想・評価

4.9
めーーーっちゃ好き。くるくると身体を回転させながら画面の中を動く、画面の中に入ってくる演技が快テンポをつくりだしてゆくのだが、主役のおじさんはほとんど回らずだいたいただ立ち尽くしていて真正面からの撮りが多く、そこが際立って重くなるのが良い。

カメラ通じての回想の入り方が当時としてどうなのかわからないけどちょっとベタなドラマや漫画みたいにホワホワホワーンという感じ(?)で面白かった。

天ぷらが出てくるところで、天ぷら目線で世界を撮っていることについてはよくわからないが衝撃だった。
1時間半ちょっとの映画で、これほど男女の情欲が渦巻く映画はザラには無いのではないだろうか。 
タイトルの「氾濫」が『性の氾濫』とは思わなかった。 

クレジットには、若尾文子がトップになっているが、主演というには登場時間が短い。 
増村監督らしい情念あふれる映画といえるだろう。 

ガスタンクに上る場面は迫力あった。
・伊藤整ってこんな小説書いてたんだ

・切々としたボレロ風のメインテーマ良い

・佐分利信の能面芝居がむしろ好ましい

・青色発光ダイオード発明の中村さんはこの映画みたことあるのかな

・最後数分の色味カチカチはオリジナルプリント由来かな

・増村演出の冴えは相変わらず最高

・糸引き接吻、いかにもシネフィルが称揚しそう

・若尾文子はこういう役をやってもやっぱり魅力的

・華道の先生をゲイとして描くのはこの時代から一般的だったのかしら
「どういうことって、お馬ごっこですよ!」

船越英二の敬語がクセになる

真剣になっちゃいけないんですね、生花教室のマダムは賢い

金の切れ目が縁の切れ目とはよく言ったもので、たいそう氾濫して豪快に決壊した

(一番真面目なの潮万太郎なんじゃないか)

つーかジャケみたいな文子様要素はないぞ
今まで観た中では初めてあやぴに強さのない役だった、そして船越英二のクズ演技も初めてだったが、そこが一番わろた
可愛い方の若尾文子。川崎敬三が電気を消して女を抱くカットがすごかった
何とも嫌な奴らばかり。

みんな自分の欲望のために、人を騙し利用する。金、出世、性欲、、自分のことしか考えていない。そんな人間の嫌な部分をこれでもかと炙り出す。会社も家庭も同じ。騙す方も騙される方も、同じ穴のムジナ。欲望が溜まり氾濫する。

増村保造らしいドロドロした企業ドラマ。「巨人と玩具」「黒の試走車」と同系列ながら、いつもほどのテンポの良さが感じられないのは佐分利信の演技が重いせいか?彼が演じるのは、化学会社の技術者あがりで、自らの発明で重役となりながら、みんなに振り回され自ら身を引く男だか、この人は貫禄ありすぎ、そういう役はどうも似合わない。

それでも、それなりに面白く観られるのはこの監督ならではの手腕。ただ、名コンビの若尾文子が、今回は出番も少なく、らしさのない役なのが残念。
KOKO

KOKOの感想・評価

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忍びない。忍びないねえ。
世知辛い世の中だねえ。

佐分利信さん、地位と名誉に疲弊した研究者の佇まいが最高。
金と名誉と愛と嘘と。
傑作だった。増村保造はやはり天才だ。
予告編も良き。
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