スコットランドで暴力夫から逃れて暮らすリジー(エミリー・モーティマー)は、息子フランキー(ジャック・マケルホーン)には父親は船乗りだと嘘をついていた。やがてその船が本当に寄港することになり、リジーは友人の紹介で男(ジェラルド・バトラー)を父親役に雇うことにする。
残酷な側面はあるものの、こういう人の優しさを重ね合わせていくような話は大好きだ。
確かに、“血は水より濃い”って言うけど、本当にそうなのかな。
息子から音を奪い、死の床で妻に罵声を浴びせる男を見たら、大いに疑わしくなってくる。
そして、子供は大人が思っているより、ずっと考えているし、本能的に自分への愛を感じている。
フランキーはきっと、母親の愛情はもちろん、自分を思いやってくれている人たちが周りにいることをしっかり感じたんだろう。
名もなき男との将来は分からないけど、母子の永遠の信頼関係を確信させてくれる、素晴らしいラストだった。
まだ無敵じゃない頃のジェラルド・バトラーが、不器用ながらも思いやりある男を好演していて、「マッチポイント」や「シャッター アイランド」で地味な印象だったエミリー・モーティマーもめちゃくちゃ印象良かった。