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シックス・センスのarchのレビュー・感想・評価

シックス・センス(1999年製作の映画)
3.0
シャマラン制覇の為に再鑑賞。

死者が見える少年コールがどうその現実と折り合いをつけていくのかについて、児童心理学者のマルコムとの交流の中で見つけていく成長譚となっている。

見えない誰かと少年のテーマを前作から引き継ぐが、そこに喪失という要素が捻れて結び付けられているのが特徴。
自らの死を経験し、喪失を体験しているのはマルコムであり、それに対してコールは自分以外の喪失を見せられる側の存在であり、本人は喪失を経験していない。コールの感じる死者を観ることによる恐怖体験は映画体験に近い部分でもあるが、それは置いといても前作と同様に少年は作品の中で最も「大人びている」存在として描かれている。

年不相応に人を慮り、抱えきれない秘密を抱える。その姿は年不相応な名演技も相まってより強調される。前作の主人公もあの歳にして「神の存在証明」を行おうとし、明らかに周りより精神年齢の高さを感じる。
それが何を意味するかはこの先フィルモグラフィを追う中で分かるかもしれない。

映像に関しては省略された映像と叙述トリックがイコールの関係で最後の有名なラストに繋がっていく流れはやはり面白い。またそれだけにとどまらず随所に見られる省略された映像によるホラー演出、特に序盤の食器棚などの演出に顕著な部分や葬式で真っ赤なドレスを来た母親など、非常に見どころである。

物語としては後半のコールが元気になるに至る経緯が少し物足りなく感じ、まだこの題材で遊べたのでは?と感じるが、それでも十分にシャマランの代表作といえる作品である。
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