Narmy

臨場 劇場版のNarmyのレビュー・感想・評価

臨場 劇場版(2012年製作の映画)
3.2
溢れかえるほどの植物に囲まれ生活する検視官の倉石。
倉石は人の死に直面する検視官として、死者の最後の声を聞くことに執念をもやす。

ドラマをみていないから分からないけれど、妻が亡くなったことはストーリーには多少関係しているのかな?
日本の法律では、犯罪を犯しても心神喪失者の行為は罰しない、心神耗弱者の行為はその刑を減刑するとなっている、この刑法39条に纏わるそれぞれの思いがこの作品の殆どを占める。

早い段階で、繋がりやだいたいの犯人は明らかになる為、謎解きをしていくと言うよりは、考えさせる展開になっている。
一つの事象ではあるけど複数の立場からのアブローチなので、それぞれにストーリーがありせつなさは倍増。

この作品を観ていても被害者遺族への救済措置は全く足りていないことは明らか。
殺人を犯すこと自体、もう正常では決してなく病気だと思うんだけどな、、
確かに報復は連鎖していくと思えば、何処かで断ち切らなければならないんだろうけど、この作品の犯人に対してどうしても許すという感情は湧かない。
当事者でもないわたしがそうなんだから被害者の遺族はなおさら、、
病気であるという線引きも病気が治ったという線引きも主に担当医にのみ委ねられるという今の状態ではどうしても不安は拭えない、、

作品としては、テーマは興味深いんだけど、いろんなところで回収されていない出来事が多く気になるところも多々残して終わるのでそこが残念。
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