Kumonohate

侠客列伝のKumonohateのレビュー・感想・評価

侠客列伝(1968年製作の映画)
3.8
シマを狙われた小田原のヤクザの親分が、親分衆の会合の饗応係を仰せつかる。だが、悪者ヤクザの親分にあれこれと難癖つけられ、遂に堪忍袋の緒が切れて刃傷沙汰に及ぶものの、返り討ちにあって無念の最期。親分衆の話し合いにより、難癖を付けた方にはお咎め無し、小田原の組には1年半の謹慎(要は活動停止)という片手落ちの裁定が下る。謹慎中、様々な嫌がらせにじっと耐え忍ぶ小田原の組員たち。だが、悪者ヤクザが小田原の堅気の衆を手にかけるに及び、遂に4人のヒーローが立ち上がり、敵方に殴り込みをかける……という、忠臣蔵をモチーフにした作品。

高倉健、鶴田浩二、若山富三郎、藤純子…。兎に角キャストが豪華。さすがマキノ雅弘監督作品である。そして、やはりマキノ監督らしく、テンポが早い早い。開始わずか30分で、通常映画の1時間分に相当するんじゃ無いかと思われるくらい話が進む。さらに、編集もやたらとスピーディー。カット頭の間やカット尻の余韻など無駄無駄無駄ァ!とばかりに、バッサバッサと切りまくる。だから、シーン間の間尺が全く無い。テンポが良い。やはり、マキノ雅弘にハズレ無し。

一点だけ注文があるとすると、クライマックスの殴り込みメンバーの中に鶴田浩二がいないこと。そうできない大人の事情があるのかどうか知らないが、健さんと鶴田浩二がタッグを組んでの大立ち回りを見てみたかった。
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