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スリ(掏摸)のmajiziのレビュー・感想・評価

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)
3.5
スリになってしまう青年ミシェルの心理的内面を描いた作品。

貧しいことから、何やらあまり罪悪感はなくスリをはじめます。
手先が器用で家で真面目に練習もします。

そのうちプロからスカウトされ、集団での大掛かりな犯行に及ぶまで、どんどんのめり込んでいくことに。

警察にも目をつけられているのに、荒んだ心は改心せず。

そんなとき、母の住むアパートの隣人ジャンヌに出会います。

見るからに彼女も不幸で貧しい女性。
演じたマリカ・グリーンは、エヴァ・グリーンの伯母だそうで、大変な美人。

ジャンヌとはあまり具体的な会話もなければ、いいムードになることもないけれど、二人は惹かれ合いつつもお互いの気持ちは伝えません。

なんというか、実に抑制的でもどかしさでいっぱいになります。
そんな二人がどうなってしまうのか。

あらゆる削ぎ落としがすごいブレッソン作品ですが、ほんとに時間も短く音楽も台詞も少ないです。

ラストの台詞は、まるで詩のようでした。

スリの描写がやたらと細かく、流れるような手のさばきがクローズアップされます。
それでもこれは、恋愛映画でもあったんだと思います。
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