majizi

ふたりの人魚のmajiziのレビュー・感想・評価

ふたりの人魚(2000年製作の映画)
4.0
汚くてどんよりした蘇州河と、美しい愛の話。

荒い粒子の映像がそのままこの時代の上海を映し、それだけでも貴重なフィルム。
生活感漂う荒漠とした風景なのに、どこかヨーロッパ作品を思わせるお洒落でしんみりとしたお伽噺でした。

人は空想や物語を時として欲するし、それが本当だと信じたくなる。
煙に巻かれたような出来事は、探さない選択と共に再びこの汚い蘇州河が映し出されて現実に戻りおしまい。

想像してたよりずっと良かった。
生々しくてエグいのかと勝手に思っていたけど、全然そんなことはない。
むしろめちゃくちゃロマンチック。

愛を求めて人魚は泳ぐ。
majizi

majizi