KnightsofOdessa

魔人ドラキュラのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

魔人ドラキュラ(1931年製作の映画)
4.0
No.57[助手選びに失敗するとこうなる] 81点

ドラキュラを知らないのは『ドラキュラ』の中の人だけだという格言を作れるほど知れ渡っている世界一有名な吸血鬼の初映画化作品。本作品は怪奇映画界の神ブラウニングが製作したものであるが、ジョージ・メルフォードという男が同じスタジオで同時に別の「魔人ドラキュラ」を撮っているという荒唐無稽な話もある。

当初はチェイニーが演じるはずだったが、彼の急死によって白紙となり、舞台版でドラキュラを演じていたルゴシが大抜擢された。彼のハンガリー訛りや背格好は多大なる影響を後世に遺している。原作ではイギリス篇では存在感がほぼ空気なドラキュラも本作品では屋敷に登場しまくっていて、鏡の演出や目だけに光を当てる演出など中々興味深いシーンも多く非常に楽しめた。演技もサイレント的な大仰さを持っていたが、ブラウニングの経歴を考えると不自然でもないし別に嫌な点は見られなかった。

ただ、ドラキュラよりも下僕となったレンフィールド君の神出鬼没さに驚かされる。こいつがまたいいキャラしてて、普通の人間なのに精神病院から度々脱走した上で計画の基本的なヒントは下僕のくせに彼が全てを喋ってくれる親切設計だから謎解きも簡単になってしまっていた。ドラキュラは人を見る目が無さ過ぎたようだ。助手選びは慎重にね。
ちなみに、レンフィールド役のドワイト・フライは「フランケンシュタイン」にも出演している。

これ見た後に「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」見ると脱力感が凄そう。
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