チッコーネ

人妻の危機のチッコーネのレビュー・感想・評価

人妻の危機(1953年製作の映画)
3.7
メヒコの寂れた海岸が舞台で、満ち潮に呑まれながら果敢に演技する役者陣の頑張りがすごい。
御大バーバラ・スタンウィックとセクシーなラルフ・ミーカーはひと回りほど歳が離れているが、突発的なカップル状況を演じる。
直接的には描かれないが、夫のためにあらくれへ身を呈したであろう妻の気丈夫、そしてあるかないか程度に漂うよろめきが、淫靡でよい。
70分弱の短い尺だが、簡潔な構成でスリリング。
海中の梃子の原理(?)説明カットまできっちり撮影する良心的な職人気質に支えられた、佳作。