ナツミオ

誓いのナツミオのレビュー・感想・評価

誓い(1981年製作の映画)
3.6
DVD鑑賞

 “走る 豹のように”

数十年振りに所有DVDを再鑑賞。
前回観た『いまを生きる』(1989)のウィアー監督作品。
“走れメロス”のような話だったと記憶していたが…全然違った⁈
ほぼ初見の感覚でした。

第一次世界大戦中の激戦地の一つ、
”ガリポリの戦い“ に参戦する二人の青年を描いた戦争ドラマ。
ピーター・ウィアーが監督を行い、『マッドマックス』(1979)で一躍有名になったメル・ギブソン主演。

映画賞
・オーストラリア・アカデミー賞で、作品賞・監督賞・主演・助演男優賞など多数の賞を獲得。
・ヴェネチア映画祭金獅子賞 ノミネート

原題 『Gallipoli』

1981年豪作品
監督・原案 ピーター・ウィアー
脚本 デビッド・ウィリアムソン
製作 ロバート・スティグウッド パトリシア・ラヴェル
製作総指揮 フランシス・オブライエン
音楽 ブライアン・メイ
撮影 ラッセル・ボイド
出演 メル・ギブソン マーク・リー 
ビル・カー ロバート・グラブ デヴィッド・アーギュ ティム・マッケンジー ヒース・ハリス ビル・ハンター

(あらすじ kinenoteより)
1915年、英国軍に率いられたオーストラリア=ニュージーランド連合のアイザック軍団は、ドイツとトルコのダーダネルス海峡を侵略、コンスタンチノーブル近くのガリポリでトルコ軍に対抗していた。
その頃、オーストラリア西部奥地の村で、18歳の青年アーチー・ハミルトン(マーク・リー)は一日も早く同胞と戦うことを夢見ながらランニングの訓練に余念がなかった。
また、鉄道のキャンプでも血気にはやる若者たちが語り合っていた。バーニー(ティム・マッケンジー)がガリポリのニュース記事を伝えると、都会育ちのフランク(メル・ギブソン)は戦争なんかはご免だといい、ビリー(ロバート・グラブ)とスノーウィー(デイヴィッド・アーギュ)は入隊を宣言した。
アーチーがフランクと出会ったのはアスレティック・カーニバルの日だった。若すぎて入隊できないというアーチーの話を聞くと、自分の故郷パースに行ってもう一度試してみるようすすめ、二人の長い旅は始まった……

(kinenote解説より)
第一次大戦下、当時イタリアとトルコの国境近くの激戦地だったガリポリ戦線に赴いた2人のオーストラリア兵を中心に、彼らとその仲間の若者たちの青春、友情、愛国心を描く。
オーストラリア映画としては初めてアメリカ資本で作られ、マニラ国際映画祭特別審査員賞を受賞。

邦題は分かりにくい。
原題は、”Gallipoli”
第一次世界大戦中、激戦となったトルコ・ガリボリ上陸作戦に参加したオーストラリアの若者たちの中で、ランナーに焦点を当てて描いた作品。

アスレティック・カーニバルの100m走レースで1位2位となったアーチー(マーク・リー)とフランク(メル・ギブソン)は意気投合し親友となる。
当時、豪州は英国連邦の一員として参戦。戦争プロパガンダと祖国を守るという正義感から義勇兵に応募。訓練の末、エジプトに移動する。
前半は、アーチーがランナーの資質により期待され、親友たちと出会い、入隊、訓練、異国での体験など青春映画の描写。
後半から一変する過酷な戦場。

ガリポリの最前線で2度の突撃に失敗した部隊は全滅の危機‼️
通信線を切断された部隊の伝令兵としてランナーの資質を見込まれ走るのはアーチー、ではなくフランク。
彼の任務は成功するのか⁇


主演の1人、当時25歳のメル・ギブソン が初々しく生き生きとしている‼️

かなり後の作品だが、『1917 命をかけた伝令』(2019)も思い出させる。

ウィアー監督の作品は本作でも綺麗な映像が印象に残る。
オーストラリアの広々とした自然、乾いた塩湖の決死の横断は、『アラビアのロレンス』のシーンも思い出す。

音楽は、クラッシック曲以外の劇伴は、電子音楽的なところは正直違和感。

舞踏会シーンや夜間のガリポリ上陸シーンでのクラッシック曲は、良かった。

最初と最後、アーチー父子の会話が印象に残る。

 ”その足は?“

 “バネ、鋼鉄のバネ!“

 ”目的は?“

 “走る!“ “速くか?“

 “豹のように!”

・最後にバートン少佐の吹くホイッスルの無情さ…



【その他】
ウィアー監督インタビューより
(DVD特典)
ウィアー監督、若〜い‼️

・舞台のトルコ・ガリポリは、現在も軍用地で立ち入りは制限され、当時の塹壕、散乱した薬莢や、当時の兵士たちが母国から贈られた配給品の空瓶なども残っていて、作品内でも配給品のシーンでも使われている。監督はここに数日間滞在し構想を膨らませたそう。

・監督がメル・ギブソンの存在を知ったのは、『マッドマックス』の試写会。
ミラー監督の作品に映る彼の才能に目をつけ、会場を出た監督はすぐにメルを起用しようと声を掛け、彼も快諾。

・撮影は主に海外。
 塩湖、カイロ郊外の砂丘、娼館の舞台は水産物加工工場らしい。
日差しの強い日中などはかなり厳しいロケだったそう。
ガリポリの海岸シーンはオーストラリアで撮影。

・戦闘シーンの息抜きとして舞踏会のシーンが必要だったと語るウィアー監督。

脚本にシーンを加えると、製作者は費用の調達に奔走しなければならない。
そのために、あるシーンを変更した。
当初、ガリポリ上陸シーンはシドニー湾に予備艦隊を配置する予定だったが、それをやめて舞踏会のシーンに変更。
上陸シーンは霧で誤魔化したが却って効果的だった。

・音楽についても触れている。
夜の上陸シーンは、編集時に使っていた仮の音楽(クラッシック)を採用。その方が映画の雰囲気にピッタリだったから。

ウィアー監督の作品作りに音楽は重要な要素。
 ”作品の本質に迫るには音楽の力が最も有効“


【忘備録】
(キャスト)
・フランク Frank Dunne
- メル・ギブソン

・アーチー Archy
- マーク・リー

・ジャック
- ビル・カー

・ビリー Billy
- ロバート・グラブ

・スノーイ Snowy
- デヴィッド・アーギュ

・バーニー Barney
- ティム・マッケンジー

ストックマン
- ヒース・ハリス

・バートン少佐 Major Barton
- ビル・ハンター
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