TAK44マグナム

ダークマンのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ダークマン(1990年製作の映画)
4.1
一瞬のブルース・キャンベル!


サム・ライミがパワフルに、そして切なく描くダークヒーロー!
冒頭の銃撃戦からして飛ばしに飛ばし、主人公ペイトンが爆発で吹っ飛んでゆくのをわざわざ見せるなど、ケレン味あふれる一作に仕上がっております。
相手は一人なのに、ギャングがヘリは飛ばすし、グレネードランチャーを景気よく炸裂させる怒涛のバトルは必見!

復讐に燃えるペイトン≒ダークマン役は、リーアム・ニーソン。
リーアム・ニーソンと言えば、最近の代表作は「96時間」シリーズ!そう、娘を誘拐されれば誰であろうと銃で撃っちゃう元特殊工作員のブライアン・ミルズ役でありますね。
あのシリーズで、どうしてリーアム・ニーソンがいつも怒り狂っているのか、その謎が解けるのが実は本作なのです!
本作において、リーアム・ニーソンは何だか分からないのですが大切なところを切除されちゃったらしく、それが原因で怒りの感情をコントロール出来ない身体にされてしまったのです!
つまり、非常に怒りっぽくなっちゃったんですな。
ついでに、「ブラックマスク」のジェット・リーみたいに痛覚も奪われてしまいます。
「ピンを刺しても平気ですのよ、オホホホホ〜」と鬼のような看護師がいる人体実験上等な病院がヒドイ!
更についでに、アドレナリン出まくりになったおかげで超人的な力がでるようにもなりまして、とりあえず「こんな所にいられるか!」と、病院を脱走しました。その後の彼の活躍は皆さん知っている通り、ついには修業して怒りを抑えることに成功、ジェダイマスターにまでのぼりつめるわけですが・・・・・


・・・・・・↑↑いや、真に受けないで頂きたい(汗)


以下、かんたんな粗筋。


人工皮膚(3Dプリンターみたいなので作るのが先進的。ちなみに助手はヤナギモトさんと言います)の研究をしているペイトン。
恋人のジュリーに結婚を申し込むが、その返事をきけないままギャングたち(テッド・ライミもいますよ)に襲われ、爆発で全身火傷の重症をおってしまう。
光があたると99分しかもたない人工皮膚で醜い素顔を隠し、ギャングへの復讐を開始するペイトン。
しかし、危険はジュリーの身にも迫っていた。
はたして、ペイトンはジュリーを助け、復讐を遂げることが出来るのであろうか・・・?!


「ダークマン」は映画オリジナルのヒーローですが、どこかアメコミ風味であり、ショットによってはアメコミのコマ割りそのまんまな印象を受けます(路地裏なんてスパイダーマンを意識しすぎ!)。
後にサム・ライミが「スパイダーマン」を成功させる土壌が、本作に於いてすでに開拓済みであったというわけですね。
モロバレな合成もまた、稚拙さを逆手にとってコミックの雰囲気の再現に一役かっているようにみえますよ。

ペイトンの爛れた顔の特殊メイクが良く出来ています。
それだけにジュリーとの悲恋が余計切ない。
楽しいはずの遊園地の場面も、ペイトンが可哀想すぎて、涙なくては見ていられません。
リーアム・ニーソンの目がイッちゃっているのが怖い・・・(汗)

「おれは誰でもない。おれはダークマンだ」と、ひとり闇に溶け込み去ってゆく・・・哀しいけれど格好いいんだよなあ。
最後を飾るのが、やけにイケメンドヤ顔のブルース・キャンベルというのも最高じゃないですか!


ちなみに未見ですが、続編がテレビ映画として製作されたみたいです。
死んだはずのギャングのボスが生きていたところから始まる復讐劇第二ラウンドらしいのですが、あれでよく生きていたなぁ(苦笑)

兎にも角にも、気が狂ったリーアム・ニーソンを見たいならオススメしておきましょう!
テッド・ライミの死に様まで、ちゃんとみせてくれていたら満点だったのですが・・・・・惜しい!


テレビ放送、セルDVDにて