オリオンの息子

唐山大地震のオリオンの息子のレビュー・感想・評価

唐山大地震(2010年製作の映画)
2.9
自然災害が何の罪もない人たちを絶望のどん底に陥れるのは洋の東西を問わずどちらも一緒であるのは間違いない。

地震多発国日本で自分自身も経験した身にとっては非常に興味ある作品、本作の公開館を追い求めようやく見ることができた満足感は今も覚えている。

メインストーリーは若干作り物臭いものの、十分に共感できた。

しかし、後半に差し掛かってくると人民解放軍は凄い、素晴らしいとの演出は鼻につく、見せ場を人民解放軍が人民を絶望から救い出した的な演出に至っては笑止千万!

本災害の全貌は中国が未だ発表していないせいもあり謎に包まれている。最後に犠牲者24万人と出るが、この後の二次災害によって数倍に膨れ上がったとの観測もある。
蓋し災害地の略奪を巡って解放軍と暴徒の戦闘が相当数あったとも聞く。
人民解放軍万歳どころではない。

真実も明かされぬままこのような甘ったるいストーリーで描かざるを得なかった監督はいかなる心境なのかとの思いにふけると楽しめない作品であった。