オリオンの息子

善き人のためのソナタのオリオンの息子のレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
3.7
CSにて視聴、全く知らなかった作品がこんなに素晴らしいとは。

東西冷戦末期の東ドイツ、閉塞感漂う当時の描写が秀逸。

ある芸術家を検束・破滅に追い込もうとするシュタージ。

冷酷非情な尋問を得意とする将校が、ある作家の24時間盗聴を命じられる、ところが24時間体制の盗聴は却って被盗聴者の人間性をすべて知ることになる。

そして作家の人間性に徐々に惹かれていき、彼をかばおうとする経緯がうまい。   シュタージ将校の地味な演技がうまい。

最後には悲劇が生まれ、その数年後ベルリンの壁が崩壊する。

こんな味わいのある小品が好きだ。