次郎

はじまりの記憶 杉本博司の次郎のレビュー・感想・評価

はじまりの記憶 杉本博司(2011年製作の映画)
3.8
写真も撮れば建築も行い、静電気の発生装置も作れば能の台本も執筆する。過去には古美術商も営んでいた多才な現代美術化である杉本博司の活動に密着したドキュメンタリー。時に自らの記憶に、時に作品が持つ記憶に寄り添いながら語る杉本博司の表情は終始穏やかで、彼自身の存在が一つの作品として見事に描かれている。中でも直島に造られた護王神社の、風景と混ざり合う美しさは素晴らしい。その作品は手段こそ様々な形を取りながら、いずれも過去からひと繋がりとなる時間がテーマの根幹に置かれているのだということを気づかさせてくれる。
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