次郎さんの映画レビュー・感想・評価

次郎

次郎

サイコ(1960年製作の映画)

4.0

中盤過ぎに訪れる、余りにも有名なシャワーシーン。ハリウッドに未だ残るヘイズ・コードの制約ゆえ、全年齢向けにしか作品を制作できない中で産み出された最大級のサスペンス。犯人とヒロインを往復するカット割りも>>続きを読む

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.6

音楽は映画監督が苦手とする分野で、監督が撮影編集を行っても作曲を行う事はまずないという指摘は納得。映画音楽史の流れも興味深く、最初期のサイレント時代でも映写の雑音を消すために音楽が必要とされたという話>>続きを読む

タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.8

クリヘムが銃とナイフと筋肉でとにかくクリヘムするNetflixアクション映画。クリヘムだけでなく脚本はルッソ兄弟の弟さん、監督は元キャプテン・アメリカのスタント役ということで制作陣はほぼMCUという安>>続きを読む

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.1

アニメにおける映画的表現のネクスト・レベル。ホテルのロビーの奥行き、雑然とした商店街の裏路地、ボート上から見る水平線等、奥行きのあるカットどれもが見ていて気持ちいい。手書きとCGの境目がほとんどないガ>>続きを読む

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

4.1

ヴァイオレットちょっと万能家庭教師すぎませんか…と思った外伝作品。前半部分の女学校で教育係を完璧にこなす姿は視聴者サービス的な面も含めやり過ぎな感じはあったが、それでも丁寧な作画や演出によって見惚れて>>続きを読む

海獣の子供(2018年製作の映画)

3.3

うーん…水面に反射する光、水中で泳ぐ魚や生物の躍動感については掛け値なしに素晴らしい。だけど開始5分で見せられる人間嫌いムーブから予想される通り、とにかくヒトの描かれ方がぞんざいというか、終始浅薄なの>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.5

400億の男をやっと観た。原作履修済からしたら煉獄さんがここまでの人気を誇ったのが少しばかり疑問だったんだけど、実は劇場版において色々と微調整されていたんですね。

最近も煉獄杏寿郎の「目」の表情につ
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.9

髪ボサ&髭もじゃなジョニー・デップが何故か庵野秀明感あるのは笑ったけど、作品として思ったより良かった。前半部分の机上ラインにカメラを置いた切り返しは小津安二郎みがあったし、三度傘を被った人々を上から撮>>続きを読む

少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト 再生産総集編 ロンド・ロンド・ロンド(2020年製作の映画)

3.9

劇場版から遡って。幾度と表現される「アタシ再生産」のキャッチコピーはそのフォルムからロシア構成主義からの影響を語る人もいるけど、確信犯的な溶鉱炉に沈むシーンや大量生産される舞台衣装との関連からすればウ>>続きを読む

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(2021年製作の映画)

4.5

今年上半期最大の問題作にギリギリ滑り込んだ。ひたすらに意味を後景化させながら、映像と演出の暴力に殴られ続ける120分。
事前情報として「荒野に折れた東京タワー」「デコトラ」「キリン」ぐらいしか知らなか
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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

3.9

2歳のむすめが気に入り出したのか休日には毎日のように「すみっこぐらし、みる!」と言ってきてて、ネトフリで合計7,8回くらい見たような。

キャラクターについても全然知らなかったけど冒頭で説明してくれて
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花様年華(2000年製作の映画)

3.9

不倫作品だと思っていたら不倫された側の話であり、更に言えば美について描いた作品だと思っていたら美について「描かなかった」作品だった。互いの不倫していた者の顔を決して見せないという印象的な手法から始まり>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.8

中国語表記の「極限職業」って字面がやたらカッコよくない?と思わず突っ込みたくなる最新韓国コメディ。映画で楽しめる要素を全部入れたる!な欲張りハッピーセットな展開はチキンだけにこってり胃もたれ感はあるの>>続きを読む

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.5

2008年にインドで実際に起きたテロ事件の映画化ということだが、終始緊張を途切れさせない演出展開が素晴らしい。無名な監督にしては完成度が高すぎると思ったら、制作陣が『ボーダーライン』と同じと知って納得>>続きを読む

機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982年製作の映画)

3.8

初代ガンダム劇場版三部作の完結編。こうやって振り返るとホワイトベース隊はドズル以外のザビ家とほとんど戦っておらず、ジオン軍は身内の争いと内ゲバで潰れたようなものであり、アムロも主人公といえど戦場におい>>続きを読む

機動戦士ガンダム II 哀・戦士編(1981年製作の映画)

4.2

相変わらずポスターのビジュアルが良すぎる劇場版三部作の第二作。この前にガンダムUCを観ていたのだけど、こうやって追いかけるとUCは初代の展開をなぞっていることがよくわかる。ランバ・ラルは主人公が乗り越>>続きを読む

機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)

3.9

80年代半ば生まれの自分にとってガンダムと言えばSDガンダムカードダスとそれに関連するゲームなのであり、所謂「富野的」と言われる世界観に触れたのは大人になってからだった。もはや古典となった初代ガンダム>>続きを読む

ブラジル -消えゆく民主主義-(2019年製作の映画)

3.8

コロナ禍においてブラジルはアメリカに次ぐ死者数が発生した訳だけど、その原因はボルソナーロ大統領の強行策によるものなのは間違いない。トランプにも重なる彼の存在とやり口は批判されて然るべきものだろう。しか>>続きを読む

すべてをかけて:民主主義を守る戦い(2020年製作の映画)

4.0


恥ずかしながら本作を見るまで、アメリカで選挙に投票するには選挙人登録が必要だということを全く知らなかった。2018年にジョージア州で行われた知事選でトランプに忠誠を誓う白人男性と争ったのは、初の黒人
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

4.0

主演はラッパーのJoey bada$$、タイトルは2pacのリリックからの引用ということだけど決してヒップホップ色が強い訳でなく、それ以上にBLMのような運動がなぜ生まれたのかを伝えてくれる内容。事前>>続きを読む

監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(2020年製作の映画)

3.5

本作には出てくる言葉というわけではないけど、「あなたが無料でサービスを利用している時、それはあなたは客なのではなくあなた自身が商品なのだ」という事実はやはり肝に銘じておくべきだなと。アルゴリズムによっ>>続きを読む

ファーゴ(1996年製作の映画)

3.7

冒頭に出てくる「この物語は事実を元にした〜」というテロップがウソだと知ってひっくり返った。「ビッグ・リボウスキ」の時も思ったけど、コーエン兄弟のギャグって基本わかりにくい。狂言誘拐から引き起こされる犯>>続きを読む

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

5.0

約5年ぶりに鑑賞したけどやはり最高。オールタイム・ベスト級に好きな映画で、自分が映画をたくさん観ようと思ったきっかけの1つ。

「ベイビー・ドライバー」の大ヒットですっかりブレイクした感あるエドガー・
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13th 憲法修正第13条(2016年製作の映画)

4.8

やっと見れた、現代社会の基礎教養とでも言うべき傑作ドキュメンタリー。冒頭に映される「アメリカの人口は世界全体の5%に過ぎないのに、アメリカ人受刑者は世界全体の受刑者の25%を占めている」という事実は驚>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.9

見ている間は色々感じていたのに最終的に残ったのはまるで私小説を読み終えたかのような感情。それはゲンドウの語りが庵野秀明とダブってしまうこと以上に、エヴァンゲリオンという作品が庵野秀明そのものでもあった>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

やっとこさ鑑賞したんだけどもう、映画的快楽の嵐。それは本作がワイドスクリーンな画面サイズを前提とした構図で撮影され、シナリオが作られているということであり、半地下の映し方、豪邸でのカメラの動かし方、い>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.3

序破と続いて大問題作となったQ。前年に震災も起きたご時世もあってか、とにかく公開直後に見に行った人達がおしなべてお通夜状態だったのを覚えている。うっかり見てしまったストーリーのネタバレを長らく2次創作>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

3.5

公開当時は「熱血シンジ君が活躍する明るいエヴァ」などとか言われててマジかよ…と衝撃を受けていた新劇第二作。個人的な記憶ではこの辺りからエヴァの本格的な再ブームが始まり出した覚えがあり、個人的にも学生か>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.9

死んだ兄がフィルムブックを揃えるほどのファンであり、リアルタイム世代の自分にとってエヴァンゲリオンとはつまり旧劇版における「最低だ、俺って…」と「気持ち悪い」の二言に集約されるものであって、ディスコミ>>続きを読む

名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

3.2

何となく吹替版で見たけど思ったより楽しめた。ライアン・レイノルズの声だったらもっとウザい感じなんだろうなと想像しつつ、「KAWAII」なポケモンの世界観をかなり忠実に再現できていたと思う。個人的に一番>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.4

時間が逆行する表現と言えば真っ先に思い浮かぶのがアメリカのヒップホップグループ、ファーサイドが95年にリリースした「Drop」のMV。鬼才、スパイク・ジョーンズによる全編逆回しの映像と若きJ・ディラプ>>続きを読む

エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE(2019年製作の映画)

4.0

ドラマ最終回から続けて観たけど公開されたのは原作終了から6年も後だったのか。とはいえ、明らかに太ましくなっているトッドの顎周り以外はそんな歳月を感じさせない、ドラマの最終回直後に撮影されたと言われても>>続きを読む

HiGH&LOW THE WORST(2019年製作の映画)

3.4

「もう拳だけじゃ解決できねぇ…」と主人公に語らせた物語の後に拳で解決する青春譚を描くのは後退なのか開き直りなのか。クローズWORSTと鬼邪高校のコラボレーションものということで、登場人物もそれを演じる>>続きを読む

アイアンマン2(2010年製作の映画)

2.8

これまでベスト版を出してこなかったAC/DCが本作のサントラとして15曲を提供したという話を聞いていてめちゃくちゃに期待してたのに、実際に流れていたのはOPとEDだけ。本編ではクラッシュやらクイーンや>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.9

ホアキン・フェニックスの顔芸100連発。迫真の演技はのめり込みこそするがそこに恐ろしさを感じないのはジョーカーの狂気と正気の間に「病気」という補助線が引かれてしまっているからだろう。少なくとも『キング>>続きを読む

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

3.4

最近話題のインド映画といえば「バーフバリ」や「ガリーボーイ」といった超が付く傑作ばかりなため、前評判の高かった本作については少しばかり期待値を上げ過ぎたかも。

過剰な競争社会である工科大学での3バカ
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