nonkasvas

乱のnonkasvasのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.8
すんごい人の数。スケールでかすぎ。
鬼のような数の甲冑も武器も旗もこの映画のために作ったのかと思うとゾッとする。それ故本当の戦にカメラが居合わせ撮影したかのようなリアルさを感じる。
衣装もすごい。登場人物の役柄や感情・背景を組みされたような色合い模様で、所作の美しさや存在感を際立たせる。(染めや織り、刺繍は昔ながらの手作業らしい。。!)
音楽もすごい。というか音響がすごい。二郎率いる圧倒的な数の足軽と騎馬武者が三郎の軍に相見えるシーンでは、大量の足が地面を震わせ地響きを立てる音にちびりそうになる。秀虎に父を殺され目を潰された鶴丸が怨みを込めた笛の音色は、泣いているようで怒っているような。地獄からこの世に響きかせているような。凄みがある。
役者もすごい。原田美枝子の能のような振る舞いは神秘的で美しく、大殿の威厳さと狂った老人の消え入りそうな弱々しさの二面性を演じる仲代達矢はカメレオンすぎる。
あの世とこの世、夢と現、どちらが地獄か天国か。『狂ったこの世で気が狂うなら、気は確かだ!』
全て語りつくせないほどいろんな魅力がありすぎて何度でも観たい。が少し長い。。
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