矢吹健を称える会

ギャング忠臣蔵の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

ギャング忠臣蔵(1963年製作の映画)
2.5
 細かい描写がだいぶフザけている。大石内蔵助にあたる高倉健が新婚旅行でパリに行く! するとシャンソン歌手の佐久間良子がフランス語で歌いながら出てくる! かと思えば、アルジェの外人部隊上がり(!)だという肺病やみの鶴田浩二が美人局めいたことをしている! 日本に視点が戻ったら戻ったで片岡千恵蔵・山村聡がどじょうすくいを踊る! このシーンがわりと長い! いわゆる「松の廊下」にあたるシーンの後、なぜか片岡千恵蔵は九州で野球の試合中! ユニフォーム姿の片岡千恵蔵!
 丹波哲郎の役名が「ファイティング清水」というのもウケる。プロレスラーか?

 ということで、前半はこういうおふざけ描写を笑いながら見ていられるのだが、残念ながら「松の廊下」の一件あたりから、物語がいよいよ本腰を入れて「忠臣蔵」をなぞろうとする。これがやっぱり、ちょっと無理がある。
 まあ、東映作品のファンなら見て損はしない珍作だとは思う。