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きれっぱしの愛の作品紹介

きれっぱしの愛のあらすじ

北欧・アイスランドの田舎町。芸術家のアンナは、しっかり者の長女イーダ、わんぱくでいたずら好きな双子グリームルとソルギルス、そして愛犬パンダと暮らしながら、芸術家としての道を模索していた。若くして結婚したものの、今や<もう夫婦ではなくなった>はずの元夫マグヌスは、いまだに情を断ち切れず、何かと理由をつけては家を訪ね、食卓を囲み、ピクニックにまで付き合う始末。気がつけば、まるで<まだ家族>であるかのような日常を再び送るようになるが――。

きれっぱしの愛の監督

フリヌル・パルマソン

原題
Ástin sem eftir er/The Love That Remains
公式サイト
https://gaga.ne.jp/kireppashi_ai_NOROSHI/
製作年
2025年
製作国・地域
アイスランドデンマークスウェーデンフランス
上映時間
109分
ジャンル
ドラマコメディ
配給会社
NOROSHI、ギャガ

『きれっぱしの愛』に投稿された感想・評価

kuu
3.7
『きれっぱしの愛』
原題または英題 Ástin Sem Eftir Er
製作年 2025年。上映時間 109分。
映倫区分 G
製作国 アイスランド・デンマーク・スウェーデン・フランス合作

『ゴッドランド GODLAND』で世界的に注目を集めた北欧アイスランドの気鋭フリーヌル・パルマソンが監督・脚本を手がけ、片田舎に暮らす家族のささやかな日常を、移りゆく四季とともにユーモアと皮肉を交えて描いたドラマ。

作中で唐突に挿入されるシュールで可笑しな幻想的シークエンスは、登場人物たちが抱える言語化不能な感情のバグの可視化と云える。北欧の荒涼とした自然と人間のちっぽけな営みを対比させるフリーヌル・パルマソン監督特有のマジックリアリズム演出は、自然の悠久さに比べれば人間関係の破綻など一瞬のノイズに過ぎないことを示すと同時に、そのノイズこそが生きている実感なんやと肯定してます。理詰めの説明を跳ね返し、心の混沌をそのまま画面に投擲するこの手法こそがパルマソン魔法の真髄と云えるかな。
 
今作品の背景を支えるトリビアとして見逃せないんが、監督の実生活と映画世界との狂おしいまでの地続き感。作中に登場する子どもたちはパルマソン監督の実子たちやそうで、彼らの伸び伸びとした不規則な動きが、作為的な演技を超えた圧倒的なリアリティを放ってます。さらにカンヌ国際映画祭でパルム・ドッグ賞を獲得した愛犬パンダの存在感が善く、人間たちのくだらん愛憎劇をただ静かに見つめるその眼差しは、今作の批評的な視線として画面に深く鎮座していると思えます。
 
物語が描くんは、すでに他人となったはずの男が平然と元の家に上がり込み、ピクニックの輪にまで混ざり込んでくる不条理な日常。破局した元夫婦の未練って言葉すら生ぬるい粘着質なぬるま湯関係に、周囲は困惑しつつも流されていく。サーガ・ガルザルスドッティルとスベリル・グドナソンの軽妙な掛け合いは、劇的な修羅場でも美化された再会でもない、愛が冷め切った後に残る、習慣ちゅう名の惰性を皮肉たっぷりにあぶり出していました。
 
北欧の透き通るよな静寂と泥臭さが交錯する『きれっぱしの愛』が指し示すテーマは、

愛の完全な消滅など存在しない。

って諦念と救い。離婚という手続きを経ても、一度繋がった関係は綺麗さっぱり消えるわけではなく、擦り切れて小さくなった『きれっぱし』となっても生活の端々にこびりつき、人を温め、同時に鬱陶しくさせる。すっぱりとは断ち切れずぼろぼろと解けていく愛の曖昧な領域をそのまま肯定する視線は、デジタルな関係性の断絶に慣れた現代人に、重苦しくも愛おしい後味を残す独特な作品の一つと云えるかな。


アイスランドの田舎町。アンナはしっかり者の長女イダやいたずら好きな双子のグリムールとソルギス、そして愛犬のパンダと暮らしながら、芸術家としての道を模索する日々を送っている。若くして結婚したマグヌスとはすでに別れているが、いまだに情を断ち切れず、元夫マグヌスは何かと理由をつけては家を訪ねてきて一緒に食卓を囲み、ピクニックにまで同行する。いつしか、まだ家族であるかのような日常を過ごすようになる彼らだったが……。

コメディアン・俳優・歌手として活躍するサーガ・ガルザルスドッティルがアンナ役、「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」「蜘蛛の巣を払う女」などのスベリル・グドナソンがマグヌス役で絶妙な距離を保つ元夫婦を演じ、パルマソン監督の3人の実子と愛犬パンダが家族役で出演。2025年・第78回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドッグ賞を受賞。
【かたっぱしからヌーベルバーグ】

アイスランドの田舎町で暮らす家族の日常が描かれます。
出演している子どもたち3人と愛犬パンダはフリーヌル・パルマソン監督の実子と飼い犬です。
ですから、今作は監督にとっての日常かもしれません。
でも、初っぱなの倉庫取り壊しから、終わりの海に漂う元夫まで、今まで見たことがない風景や絵づらが片っぱしから出てきて、結構非日常感があり、面白さは確かにあります。

編集もどこか実験的で、ヌーベルバーグを感じさせます。
監督が面白いと思った切れっぱしのイメージをパッチワークしたような感じです。
常識や固定観念に囚われた、僕のような一般人には付いていけないところがあります。

一番楽しめたのは。第78回(2025年)カンヌ国際映画祭にてパルム・ドッグ賞を受賞した、アイスランド・シープドッグの愛犬パンダの名演技。
この犬の演技力と可愛さにはビックリです。
犬好き映画ファンは観ておいて、これっぽっちも損のない映画です。
3.7
「ゴッドランド」で世界的に注目を集めた北欧アイスランドの気鋭フリーヌル・パルマソンが脚本・監督を手掛けた最新作。「きれっぱしの愛」というタイトルが気になって鑑賞した。アイスランドの景色は堪能出来たものの、物語はちょっと掴みどころがない不思議な作品だった。

アイスランドの田舎町。若い時に結婚して別れている元夫婦。しっかり者の長女、双子の男の子の3人の子供たちと愛犬パンダが、元妻のアンナと暮らしている。漁師をしている元夫のマグヌスは、芸術家としての道を模索している元妻のアンナに未練たっぷり。何かと理由をつけて家を訪ねてきて食卓を囲み、ピクニックにまで同行する。もう夫婦でない2人の曖昧で不思議な距離感。そんな元夫婦のささやかな日常をアイスランドの移りゆく美しい四季と自然の映像美で描いているのが印象的だった。

今更元には戻らないはずなのに、まだ家族であるかのように平然と過ごす関係。ませた子供たちは、そんな親を冷ややかに見つめている。あどけない顔の男の子たちが下ネタ会話を連発するシーンは、これが北欧の普通の男の子の会話なのか、、。途中ファンタジーみたいに幻覚が現れるのは、精霊が自然に宿っているというアイスランドの神話を思い出した。

「むかし」あった
「やがて」こわれた
「そして」残ったもの。
それは「いまさら家族」の物語だった。

元夫婦の情が断ち切れない関係はモヤモヤしたものが残ったが、芸術家としての才能があるのかどうかよく分からないアンナの不思議な作品を作る工程や、家の中の北欧インテリアのセンスなど見どころもあった。

3人の子供たちは監督の実子で、愛犬パンダも飼い犬というのには驚いた。子供たちの自然な会話や仕草は、監督との穏やかな日常を映し出しているかのようでなかなか面白い。2025年第78回カンヌ国際映画祭にて、パルム・ドッグ賞を受賞した愛犬パンダの演技が可愛かった。

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