けーはち

ブラッドシンプル ザ・スリラーのけーはちのレビュー・感想・評価

3.8
オスカー受賞作『ノーカントリー』から遡る事25年、低予算ながら才気を窺わせるコーエン兄弟監督映画処女作。以前、中国時代劇のリメイク版『女と銃と荒野の麺屋』(⇨https://filmarks.com/movies/36027/reviews/35331821)を観ているが、やはり、オリジナルの方が面白いパターン。物語はとある女の浮気から始まり、3つの殺人で完結。1つ目は殺しを依頼した側が逆に殺され、その死体を誤解してこっそり片付けた男が2つ目の殺人の犠牲に。そして3つ目は殺した側が「誰を殺したか」を誤解したまま終わる。そんな嘘と誤解、間抜けな失敗に終始しつつ舞台は田舎町で登場人物もハードボイルドでなく女の方がよほど強いなど何かしらユーモラス。それが人間らしさの悲喜劇クライム・スリラー映画。