月うさぎ

マイレージ、マイライフの月うさぎのレビュー・感想・評価

マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)
3.4
mooving is living
モットーは身軽でいる事
不要なのはモノだけではない。家族をも含む人との関係もだ。
究極の断捨離?
そんな彼が唯一こだわるのがアメリカン航空のマイレージを貯める事

目標は1000万マイルを達成してマイレージ界(そんなのあるのか?)に名を刻む事

ライアンは年間322日もの出張で全米を飛び回り、すでにアメリカンエアラインのコンシェルジュキーConcierge Keyという噂に聞く最上位階級を手にしている。
マイレージにカウントされない金は使わないという徹底ぶり。

元のタイトルは「Up in the Air」
珍しく見当違いでもなく分かりやすい邦題ね。

ポイ活も資産運用もそうだけど、特に使いたい目的もなく、ただひたすら増えるのが楽しくなって必死になっちゃう人、いますよね。
おまけそのものが目的になる。あるあるですが、あなたの人生はその為にあるの?
この映画では、ストーリー的に驚く展開もないし色々予想通りに終始します。幸せな家族も正義の人も出てきません。しかし綺麗事ではないからこそあり得る話と納得できるようになっており、秀作だと思いました。

自由といえば聞こえはいいですが、人に対して責任を負わない生き方であり、解雇宣告人という職業はそんな人には適職です。しかし大学出たての小娘に面と向かって「逃げ」「子供」と指摘されてしまう。

二つの出会いと二つの事件は彼の生き方に動揺を与える。
多忙な生活をこなすことで疑いもしなかった価値観を、初めて見つめ直すライアンだが…

ジョージ・クルーニーがハマっていると思います。
勝ち組の自信、無駄のない動き、温かみをたたえる目の表情、お茶目な可愛さまである。
残酷な執行人なのに、悪人ではない感を醸しています。
初めてジョージ・クルーニーがイケメンに見えました。
(ごめんなさい、カッコいいとは思うけど、私的にはイケメン枠ではなかったんですよ)

人生についても考えさせられました。
夢を叶えてしまった後、さらに新しい夢は生まれるのか?
「夢は見るのものではない、叶えるものだ」というセリフを、おお、そうだよね!と思ったのは昔のことです。
夢は追い続けるものだと今では思います。

そして幸せは共に祝える人がいるからこそ幸せなのでは?

時に重荷で足かせで厄介かもしれないのに、人は人を求めます。
一時の幸せであったとしても
人生は終わるまで続く。常に何かと出会いながら。


【おまけ】
冒頭、上空から俯瞰するアメリカ大陸の様々なエリアの景色が素晴らしい。
本当にひたすらだだっ広く平坦な部分が多いんですよねアメリカ合衆国って。
人の痕跡のある土地とない土地の差が凄まじいほどで。
島国日本に住む私にはとっても面白い映像でした♪

あとね。アメリカン航空のマイレージなんて貯めたくもないです。LCCのジェット・ブルーの方がサービスいいですよ。アメリカの国内線しか乗らないんならね。
月うさぎ

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