板チョコ

ポーラXの板チョコのレビュー・感想・評価

ポーラX(1999年製作の映画)
4.0
カラックス監督の狂気を感じる、本気で怖い映画でした・・
とにかく内容が、、重い!暗い!全員死ぬか逮捕されて終わるし謎のカルト集団のアジトとバンド演奏が怖すぎる!!(映画的には良いシーンだと思うけど怖かった)

こういう言い方は不謹慎かもしれませんが、この映画はカラックス監督が10年以上のブランクを経てようやく絞り出した作品で、ヒロイン役の女優さんと結婚していたようですが彼女は統合失調症で後に自殺、他の役者さんもこの映画の後若くして亡くなっているという、この映画に感じる狂気は演出でも芸術でもなく、本物の狂気なのかな・・と思いました。

ゴッホの「ひまわり」のように、狂気が滲み出つつもギリギリ作品として成り立っている、作ろうと思って作れるものではないことは確かだと思います。

前半お城に住んで母親役の大女優とお風呂で会話するところとか、大きい岩の陰で一息入れるところとか美しいシーンで好きですが、こんな平和なシーンすらも不穏さをひしひしと感じる、見ていて超不安になる映画でした。
アネットの公開記念イベントで、幸運にもユーロスペースにて見ることができたのですが、見終わった後は深夜の渋谷が牧歌的に見えるほどでした。
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