板チョコ

アデル、ブルーは熱い色の板チョコのネタバレレビュー・内容・結末

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

フランス女性の肉体美がすごい。
レズビアン映画ではあるけれど内容的には古典的な格差恋愛もので、美しい映画だと思いました。

20代で見た時はアデル可哀そう!エマはちょっと勝手過ぎん?と思ったけれど、30代になった今見ると、二人が上手くいかない理由も、エマの葛藤も良く分かる。
アデルが何をどうやっても中流階級出身でオシャレに自分を表現できないように、エマはどうしても上流階級的な美意識の高さとかプライドの高さから抜け出せないんだよね。生まれ育った感覚というのは自分の意思でどうこうできるものでもなく、それを乗り越えられないところに愛とか恋とかの限界を感じました。
お互いに運命の相手であることは本当なんだけど、それだけで純粋に付き合えるのはごく若いうちだけで、年齢がいけばいくほど広がっていく種類の相違点をお互いに抱えていてそこが埋められないんだよね。めっちゃよく分かる。。

アデルが意識を変えて自分の文章を書くとかすれば丸く収まるんだけど、この「意識を変える」というのは非常に難しい。自分が育った環境にない意識だから。
そしてエマはエマで、芸術家として成功できないと人生詰む(普通に働いたり絶対できない)から自分のことだけで手一杯だし、愛だけの存在であるアデルがだんだん重荷になったんでしょう。
アデルが浮気しなかったとしても二人の関係はもっと先でゆるやかに破局してたんじゃないかな。
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あとは、
アデルのぽっちゃりギリギリな美貌や、何かを食べるときの下品さが可愛くて好きでした。
エマとその仲間たちの会話の、普通の感覚に合わせる気がさらさらない感じもちょっと嫌味っぽくて良かったです。
上流階級の世界は美しいけれど、傲慢でもありますね。
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