シネラー

カンフーくんのシネラーのレビュー・感想・評価

カンフーくん(2007年製作の映画)
1.5
前回の鑑賞より続く、
地雷を踏みに行くカンフー映画鑑賞
として本作を初鑑賞。
前回鑑賞した『少林少女』は普通の
大衆に向けられた映画だっただけに
その酷さがより感じられたが、
本作は子ども向けと分かっている事で
ある種のフィルターがあり、
その為に比較的悪くない作品だと思った。
しかし、子ども騙しにもならない
酷い映画である事に変わりなかった。

物語としては、
少林寺の幼い修行僧カンフーくんが、
少林寺三十六房の最後の試練として
日本に訪れ、日本支配を企てる
"黒文部省"と対決する内容となっている。
そんな中でカンフーくんと出会う
小学生達の交流や親子愛を描くような
要素もあるが、
その全ての事柄に不自然で下手な
とんでも展開しかない作品だと言える。
そもそもカンフーくんの日本への
行き方が空を飛ぶというものである上に、
名前そのものが本当にカンフーという
名前だったりする点で、
本作のふざけた世界観を窺える事が
できるだろう。
そして、
一般人視点でそれらに対するツッコミ
は全くないので、コメディ映画としても
ツッコミ不在の地獄映画と
言ってもいいかもしれない。
カンフーらしいアクションも
CGのような部分が大半を占めており、
子どもに激しいアクションをさせない
事情も理解できるが、
笑えないコミカルな戦闘やCGで補う位
なら見たくないと思った。
そして、そのギャグ要素にしても、
カンフーくんを引き取る中華料理店の
店主を演じる泉ピン子の風貌は、
某ドラマから抜き出たような
見た目であるのだが、
確実に子どもに受けないネタだと思う。
矢口真里が演じる小学生の役柄や
その要素も一芸でしかないと思った。
小学生達の会話自体も下手に漫画的で
不自然さしかなかった。

良い点を言っておくなら、
特に映画らしい良さは皆無と言える。
唯一笑えたところを言うなら、
冒頭のナレーション声優が
八奈見乗児さんである事で、
某アニメのようだった事位だろうか。
よくよく考えると、
最後の対決は安い魔封波だと思った。

鑑賞していて途中から退屈しかなかったが、
子どもを舐めているとしか思えない
子ども向けカンフー映画だった。
ちなみにDVDの特典映像の中に、
"ガメラVSカンフーくん"という
おもしろ映像が収録されているので、
ガメラファンは一見しても良いかもしれない。
(見ての後悔と苛立ちは自己責任で。)
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