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エンド・オブ・オール・ウォーズのmiumiuのレビュー・感想・評価

4.6
第二次大戦中、日本軍の捕虜となった連合軍兵士たちが、タイのカンチャナブリ収容所で泰緬鉄道の建設に従事する様子、終戦を迎え解放されるまでを描く物語。スコットランド人兵士アーネスト・ゴードンの著書を実写化した実話ベースの戦争映画です。

これは非常にいい作品だった…! 日本人が加害者側だし残酷な場面もあって観るのはツラいけど。
コリン・ファースの『レイルウェイ 運命の旅路』と舞台は同じ、ただしこちらは群像劇風。

捕虜の中にもいろいろな人間がいて、描かれ方と役者の演技は見応えありました。
キーファー・サザーランド演じる軽そうなアメリカ人兵士の変化する様子とか。
逃亡を企てて、自分たちの作戦遂行のために仲間を売ろうとする兵士(演じているのはロバート・カーライル)とか。
教師志望だったアーネストを中心に学び合うことで、尊厳と生きる気力を保とうとする捕虜たちの姿とか。
日本人兵士も、後半に向かうにつれて良くも悪くも精神性や文化の違いゆえの事情が見えてきて、単なる悪者で終わっていなかった。

こちらもマーク・ストロング出演作ということで鑑賞。収容所のはずれに「壁なき教会」を作り、自分を犠牲にしてでも友、仲間を救う信仰心厚い兵士役。明らかにイエス・キリストのメタファーで、存在から慈愛に満ちた微笑みから行動からすべてが尊すぎでした…! これは惚れるわ…
それにしてもコリン・ファースとマーク・ストロングは出演作の設定や時代背景がやたらと重なりますね…
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