ノットステア

ナイト ミュージアムのノットステアのレビュー・感想・評価

ナイト ミュージアム(2006年製作の映画)
4.5
○感想
これも小学生の頃に観て好きになった。そりゃ楽しいよ。物が動くってことは、自分の宝物が動くかもしれないっていうか、なんか夢がある。児童書も出てたから買って読んだなぁ。
猿とのケンカも笑えた。

2024/4/3のテレビを観てセオドア・ローズベルト大統領の騎馬像が撤去されたことを知った。撤去されたのが2022年だから知るのがだいぶ遅い。。。そのテレビを観て思い出したのが『ナイトミュージアム』。セオドア・ローズベルト大統領って蝋人形じゃなかったっけ???アマプラで観直してみた。主人公のラリーが初めてアメリカ自然史博物館に入場面で、入口の前にちゃんと騎馬像があった。
映画で使われたのはアメリカ自然史博物館の外観のみで、内観は映画オリジナルらしい。



○参考
吉野万里子(2016)『シネマガール』角川書店(p.87)
博物館に勤め始めた男の人が主人公。その博物館の秘密は、夜になると展示されている動物たちが自由に動き回ること。その博物館はニューヨークに実在する『アメリカ自然史博物館』。そのリアルさが人気の理由かも。現実とフィクションが交錯することは、もしかしたら、人間の潜在的な夢?



○2024/4/3 NHKEテレ東京 視点・論点「ミュージアムの脱植民地化」関西大学教授 村田麻里子
ヨーロッパやアメリカの博物、美術館で脱植民地化が広まっている。脱植民地化とは、植民地主義から脱するという意味。
植民地主義的な考え方を反省または修正すること。
2022年、アメリカ自然史博物館の入口にあったセオドア・ローズベルト元大統領の騎馬像が撤去された。この彫像は馬に乗るローズベルトの両脇に先住民と黒人が歩いている様子が描写されており、人種的なヒエラルキーを表現していることが問題になった。ブラック・ライブズ・マター運動をきっかけにしたかつての奴隷制や人種差別に関連した彫刻を撤去、移動する動きが博物館に広がっている。
歴史ある立派な博物館であるほど、その創設者やスポンサーの多くが、奴隷制や植民地主義の富と関与しているから。



○印象的な言葉
・ルーズベルト大統領「手を貸そう。ただ覚えておけ。手を貸すのは今夜だけだ。わかったな。」
ラリー「ええ、あの、その、タブン、だけど、僕はその」
ルーズベルト大統領「はっきり答えんか。はいかいいえで!」
「はい!」
ラリー「よろしい!ではまいろう」
動く展示物に動揺しているラリー。

・ルーズベルト大統領「過去を知れば将来への備えになる」

・レベッカ「行動は言葉より雄弁」

・ルーズベルト大統領「一晩じゃ努力と言えん。パナマ運河の建設は10年かかった。」
「ラリーそれはすごい。でもこんなとんでもない仕事やってられませんよ。」
ルーズベルト大統領「あるものは生まれつき偉大。」
ラリー「はいはい。それ以外は強いられて偉大になる。そんなのありきたりの説教だ。現実は、偉大じゃない人もいる。悲しいけど、どうあがいてもただの凡人。」
ルーズベルト大統領「いや、君は凡人ではない。自分を憐れむのはよせ。千里の旅も一歩から始まる。ここの者に共に生きることを教えれば、毎晩閉じ込めなくて済む。」
ラリー「おお、説得力あるなぁ。50年ひたすら女の子を覗き見してた人の言葉は。」
ルーズベルト大統領「声をかけようとしてた。ローレンス、頼む。」
ラリー「無理だ。僕には。」




以下、あらすじ






















○あらすじ
バツイチで仕事が続かない主人公。指パッチンでつくスイッチを開発したが、パクられ手拍子でつくスイッチを作られたために負けた。指パッチンが出来ない人が意外と多い。アメリカ自然史博物館で夜の警備員として勤めることになる。

初日
夜な夜な展示物が動き始めることを聞かされないまま勤務開始。驚いて何もできない。ライオンに襲われかけたり、猿に鍵を盗られたり、マニュアルを破かれたりするも、ルーズベルト大統領に助けられる。安い賃金に見合わないとやめようと考える。

二日目
息子のニックに案内すると約束したために夜の警備員を続けることにする。元警備員のセシルからのアドバイスは歴史を学ぶこと。図書館で本を読みまくったり、インターネットで調べたり、レベッカに話を聞いたりと、夜の警備に向けて準備をする。ラジコンで骨を走らせ恐竜の遊び相手をしたり、鍵をおもちゃに変えて猿を出し抜いたり、先住民に火を与えたりする。しかし、先住民が燃えて消火液まみれになったり、窓から逃げた人形が灰になったりミスをする。

三日目
ラリーは館長に起こられているところを息子に見られる。ラリーは息子に仕事の様子を見せることにする。また、論文に行き詰っているレベッカに展示物が動くことを教えるが、馬鹿にしていると勘違いされる。いつものように展示物が動かない。それはエジプトの石板を盗んだセシルを含む元警備員老人三人組の仕業。石板のおかげで夜の間だけ身体が若返るから盗むことにした。ラリーは展示物と心を通わせ仲間になり、共に老人たちを捕まえる。そこにレベッカが現れ、ラリーは信頼を取り戻す。博物館内は散らかり放題になっていて、首を覚悟する。

四日目
元警備員老人三人組をつかまえた翌日、恐竜の足跡が博物館に続いているなどといったことがニュースになり、入場者が激増。ラリーはクビにならずに済む。

ラスト
夜の警備。息子のニックは恐竜に乗っている。骨を引っ張るラジコンを操作するのはそれまで衝突ばかりしていたミニチュア人形の二人。博物館内は踊る展示物でいっぱい。曲はEarth Wind & FireのSeptember。